小学校受験のメリット・デメリット、注意点はどんなとこ?専門家に聞いてみた

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共働き世帯の増加や幼児無償化の流れを受けて、小学校受験を検討するご家庭も増えてきています。
かつての”小学校受験といえば内部進学”という印象も最近では弱くなり、小学校受験に対する親の考えも変わってきているようです。
そこで今回は、小学校受験に詳しい「しながわ・目黒こどもスクール」代表の昌原先生に、小学校受験のメリット・デメリットをはじめ、最新情報をお伺いしてきました。

取材協力者プロフィール
しながわ・目黒こどもスクール 
昌原 貴弘/ Takahiro Masahara
■公式HP:https://kodomoschool.jp/
東京都出身。ICT教育を主軸とした小学校受験教室「しながわ・目黒こどもスクール」代表。
最先端の教育活動の醸成と、正確な小学校受験情報の発信には定評があり、年長児から年々少児を対象とした受験指導やオリジナル教材の開発を行う。その他講演活動をはじめ、各種スクール向けのコンサルティングなどの実績あり。

小学校受験の前に知っておきたいメリット・デメリット

――私立小学校受験と国立小学校受験、それぞれのメリットはどんなところでしょうか?

私立小学校のメリットは、かゆいところに手が届く体制ができている点です。教育の面についてはもちろん、昨今のCOVID-19による影響があったとしても、いち早くオンライン授業を取り入れたり、アフタースクールの需要に応えたり、登下校時のセキュリティ面も万全です。通わせていて安心できるというのは大きなメリットではないでしょうか。

国立小学校のメリットは、教員養成のための学校ということもあり、志の高い先生方が非常に多い点です。優秀な教育を育成する目的があるので、常に新しいものを提供し続けています。それを私立の先生方が研究のために見学することもあります。お子さんに最新の教育を受けさせたいという方にとっては、とても魅力的に感じるでしょう。

――デメリットや注意点についても教えて下さい。

■費用面

私立小学校に通う場合は、年間およそ100万円はかかります。更に入学金、初年度にかかる最初の経費、諸々を含めると、初年度の合計金額が大体200万ほどかかるケースもあります。かつ、年間100万円を最低でも6年間必要となると大きな負担になります。

公立小学校に通っているご家庭と、私立小学校に通っているご家庭では、習い事などのアフターサービス等も含めると、支出額が8倍程の差があります。

また、受験にもお金がかかります。一般的に、受験準備のために年間50~80万円位は必要です。小学校受験の情報は、インターネットで調べても限られた情報しか手に入らず、塾に通う必要が出てきます。学校別講習を受けないと、深い情報は入手できないからです。親御さんが面接に参加する学校においては、塾代・テスト代に加えて衣服代も必要となります。

一方、国立小学校に通う場合でも、公立学校に比べて少し費用は高くなります。制服代もありますし、課外活動も多いのです。

■精神的負担

子どもにとっては精神的負担になることもあります。塾によって方針が違いますが、いわゆる「スパルタ塾」のような塾がいまだにあります。

子どもによって、叩けば伸びるタイプの子もいれば、それが逆効果になってしまう子もいるので、そこは親御さんがしっかり見極めて塾を選ばなくてはいけません。

小学校受験をするのにあたって、短期的に実利を追い続けるような、詰め込み型の教育になってしまうご家庭もあります。受験のためにこれまで続けていた習い事を我慢しなくてはいけなくなることもあります。

本来ならばこの年齢の子たちには、やりたいことをどんどんやらせてあげるべきなのですけれども、そうした指導になってしまうご家庭にとっては、正直デメリットだと思います。

小学校としては、別に詰め込まなくていい試験内容なのですが、保護者や受験塾が、合格させるために子どもを追い込んでしまうケースが多いです。もちろん受験準備なので、頑張らなくてはいけないところはあるのですが、何かを犠牲にしてという考え方は必要ないと思います。

■注意点

結果だけを求める受験にはしないことです。合否が受験の全てとなってしまうと、そもそも何のための受験をしたのか、目的を見失ってしまいます。

本当に子どもがその学校に合っているのか?という判断がつかないまま、とりあえず人気校であったり、受験しやすい学校だからという理由だけで学校を選択しないようにしましょう。周囲に流されるのではなく、子どもの性格や家庭の方針など、まずはしっかりと目的を決めてから学校を選ぶことが大切です。明確な目的があるからこそ、お子さんも親御さんもベストを尽くすことができるのではないでしょうか。

子どもにとっても保護者にとっても負担のない学校選びを

――小学校を選ぶ際に、押さえておくべきポイントがあれば教えてください。

通学時間が負担にならない学校にしましょう。毎日の通学時間が長いとそれだけで体力もつかいますし、行き帰りの時間が長いと心配事も増えます。COVID-19の感染リスクも高まります。

また、共働きのご家庭の場合は、アフタースクールや給食の有無なども気にしておきたいポイントです。アフタースクールがない学校やお弁当持参の学校の場合は、どうしても親御さんの負担が増えてしまうので、時間的余裕があるのかどうかも視野に入れて学校選びをしていくとよいでしょう。

――他に小学校選びを行ううえで大切なことはありますでしょうか

親御さんは、とにかく小学校を沢山見ることです。学校見学などの回数を重ねることで、小学校に求めるものや学校選びの基準が親御さんの中でも明確になってきます。最初から「この名門校でなければダメだ」という考え方のまま他を見ずに入学してしまうと、入ってみて嫌な思いや後悔することもあります。

一方で、高い目標を持つことも大切です。小学校受験で妥協する必要は全くありませんので。名門校がいいなら名門校を受ければいいですし、他にお気に入りの学校を見つけたなら胸を張ってその小学校を受ければいいと思います。小学校は中学・高校と違い偏差値がなく数値化できませんが、倍率の高い人気校であれ入りたいと思う学校への合格を目指し、目標を高く持つことが大切です。

 

――私立小学校を受験される家庭は、内部進学を意識される方が多いのでしょうか?

ひと昔前は、小学校から大学までエスカレーター式に大学まで行ける付属校に人気がありました。しかし今は、いずれかの段階で再び受験をすることを視野に入れるご家庭も増えてきています。

例えば中学受験で開成、麻布などを目指したいというご家庭では、中学受験のサポートや実績のある私立小学校を目指します。付属校には慶應、青山、学習院など誰もが知っている小学校がありますが、良い学校というのはそうした名門学校に限りません。

私立小学校には各々の魅力があります。「中学受験に力を入れている小学校」や「国語力や英語力を養う小学校」、「最先端のICT機器を導入している小学校」など、独自のカリキュラムや校風に魅力を感じて小学校を選ぶ方も多いです。

つまり、ご家庭の考え方次第です。受験勉強中心の学校生活にさせたくないという考えで付属校を選ばれるご家庭もあれば、敢えて受験を経験させようと中学受験が必須となる学校を選ぶご家庭もあります。

内部進学できる小学校は変わらず人気はあります。ただ、中学受験や高校受験のためのサポートがしっかりしている学校も追従してきます。小学校6年間で確かな学力を身につけたい家庭には国立小学校も人気です。国立小学校は受験サポートはしないので、あくまで教育内容に魅せられた方たちが集まっています。

当スクールでも付属校よりも、中学受験・高校受験のサポートが手厚い私立小学校や国立小学校にしっかりと目を向けているご家庭が多くなっています。

 

――最後に。小学校受験で合格する確率を教えてください。

単純計算では15~20%位でしょうか。首都圏に同世代の子が30万人いるという計算でいくと、年間の受験者はおよそ3~4万人程度です。小学校の定員総数席は、首都圏に100校くらいあるので約5000席。なので単純計算でいうと倍率は6倍(約15~20%)ですね。学校によって優劣があるので、単純に6校受験すれば、1校受かるという計算です。

 

メリットまとめ

<私立小学校のメリット>

  • 時流に合わせたスピード感のある対応、家庭のニーズに合わせてくれやすい
  • エスカレート式に大学まで内部進学できる名門校がある
  • 校風や教育方針に共感したご家庭の子が集まる
  • 設備環境や教育内容が優れている
  • 学童保育がある小学校も多い
  • セキュリティ対策が安心できる
  • 中学受験までサポートしてくれる実績ある小学校が多い

 

<国立小学校のメリット>

  • 教員養成校なので、志の高い教師が集まっている
  • 最新の教育を受けられる ※全国の教員が見学にくるほど
  • 公立学校と大差ない学費で通える
  • 教育熱心な親御さんが集まっている

 

デメリットまとめ

  • 学費が高い
  • ご家庭によっては習い事を続ける時間がなくなることもある
  • 親御さんにも十分な心構えが必要

 

このようにデメリットもありますが、それを上回るメリットの方が多い小学校受験。小学校受験をするかどうかでお悩み中の保護者の皆さんは、今一度家庭内で話し合ってみるのもいいかもしれません。

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