社会のグローバル化が進み、英語のニーズがどんどん高まっていく中、小学校でも英語が必修化されました。そんな社会情勢もあり、お子さんに英語を学ばせたいと考えている親御さんが増えています。
しかし子どもに英語を勉強をさせるのは、想像以上に大変。
- 英語を勉強させたいけど、子どもにそんな集中力はない!
- スパルタで英語を教えるはいや!
という親御さんも多いのが実情です。
今回は「英語を楽しく学ばせたい」と考えている皆さんの為に「遊びを使った英語勉強法」を以下の流れで紹介します。
本記事を読めば、子どもが楽しんで英語を勉強する方法が分かります。
小学校に入って少しでも英語学習が楽になるように今から楽しく英語に親しんでいきましょう。
遊びが一番の英語の勉強
子どもに英語を覚えさせたい時には、勉強させるよりも遊ばせる方が効率的です。
子どもの集中力の持続時間は短く、特に興味が持てない事に対して集中力が続きません。つまり、英語を学ばせる時も、子どもに興味が湧く形に変える必要があります。
だからこそ、遊びを取り入れた学習方法がオススメなのです。
ネイティブスピーカーも遊びで英語を身に着ける?
英語のネイティブスピーカーも幼児期は遊びを通して英語の勉強をしています。
例えば、皆さんは子どもの頃、お弁当の歌を歌った事はないでしょうか?「これくらいのお弁当箱に……穴の開いたレンコンさん、筋の通ったふき」という歌です。
「ふき」という野菜はお目にかかる機会が少ない割に、お弁当の歌を通して知っている子どもが多いのは、日本人も遊びや歌を通して日本語を学んでいる証拠と言えます。
日本語と同じように、英語圏では英語の童謡を歌い、ゲームをすることで英語の語彙や表現を増やしていきます。現地の人たちと同様の方法で英語を身に着けると考えて、自信を持って子どもと英語で遊びましょう。
遊びで英語を身に着けるコツは楽しむ事
子どもと英語遊びをする時には、英語を覚えさせるんだという気合は捨てて、楽しむ事に集中してください。
本記事では子どもに英語を学ばせるための遊びや歌、ゲームを8種類紹介しています。しかし全部のゲームを試そうと考えたり、出てきた単語を全部覚えさせようとするのは逆効果です。
保護者である皆さんが楽しめば、子どもも楽しんで英語遊びに夢中になれます。こうして英語遊びに夢中になっていく中で、子どもは新しい単語を獲得したり、表現を覚えていくのです。
道具なしで手軽にできる英語遊び4選
英語遊びを手軽に試してみたいという方は、物が必要ない手遊びや歌を試してみましょう。
英語の歌遊び
子どもは歌う事でテンションが上がり親との繋がりを感じているので、楽しく学ぶには歌が一番です。
英語の歌遊びで最も有名な歌は、アルファベットを覚えるための「ABC」という歌ですが、これ以外にも英語を覚えるためにおすすめの歌を下記に紹介します。
- 「head, shoulder, knees and toes」・・体の部位の単語をリズムにノリながら覚えられる歌です。
- 「I’m a little Teapot」・・日常的に飲むお茶をテーマに日常動作の表現を覚えられる歌です。まだ立てない赤ちゃんでもお母さんと一緒に出来ます。
- 「If you’re happy and you know it, clap your hands」・・幸せなら手を叩こうの英語バージョンです。こちらも体の部位を叩くことで単語と部位が一致するようになります。また叩く物を増やす事で身の回りの物の単語を覚える事もできます。
今回紹介した歌以外にも英語の教育ソングは沢山あるので、YouTubeなどで流して子どもが気にいったものを一緒に練習してみましょう。
英単語しりとり
英語でのしりとりはスペルを覚えるのに最適です。日本語でのしりとりと同じように前の人が言った単語の語尾の文字から始まる単語を次の人が言っていく遊びです。
英語のスペルは日本語と違って音と文字が一致しないので少し難易度が上がります。
6歳前後の子どもであれば、イラスト付きの単語カードを用意すればできるはずです。
年齢が上がったら主要な英単語のスペルリストをヒントにしたり、語尾のアルファベットを教えるなどサポートすることで、しりとりを楽しめるでしょう。
英語のしりとりで「負け」は必ずしも必要ありませんが、負けを決める場合には「ん」の代わりに「X」を負けにしましょう(厳密にはXから始まる単語にはXrayやXmasなどがありますが、他のアルファベットに比べてXは極端に少ないため)。
ジェスチャーゲーム
ジェスチャーゲームは英語を英語のまま理解する力が付きます。
やり方としては、親御さんが英語で指示を出して、子どもに指示したポーズを再現してもらいます。最初は「Hands up」など動詞だけの簡単な指示をし、子どもが英語に慣れてきたらDraw a lineなどの「動詞+名詞」で難易度を上げていきましょう。
「walk like a Gorilla(ゴリラのように歩け)」など子どもが実際にそのジェスチャーをやって楽しくなる動きを指示すると、ゲームが盛り上がっていきます。
このゲームで英語の訓練をすると、英語を聞いた時に日本語ではなくイメージが頭に浮かぶようになります。
例えば身近な例を挙げると「スタンドアップ」などは中学の英語の授業で使われる事が多いため、「スタンドアップ」と言われたら日本語に変換する事なく立てるようになるでしょう。
このように直感的な英語の理解力を磨くのがジェスチャーゲームです。
英語で早口言葉
早口言葉は英語の発音や口の動かし方に慣れるのに最適な遊びです。
早口言葉は英語で「tongue twister」と言い、英語圏でも一般的な遊びとして親しまれています。英語の早口言葉も日本語と同様、言いにくく音も似ている言葉が詰め込まれています。
例えば英語に慣れ親しんでいない人の中には、「Hut」「Hot」「Hat」の三つを聞き分けられない方も多いのではないでしょうか?
早口言葉はこのように微妙に違う音を言い分けたり、聞き分ける練習になります。乳幼児期は小学生と比べても音の違いに敏感です。就学前の早い段階で導入したい遊びと言えるでしょう。
Tongue Twisterの例
- I screamed for icecream.
- She sells sea shells by the sea shore.
- Red lorry, yellow lorry.
- She see cheese.
道具を使った英語遊び4選
英語教室に通ったことがなく、英語という概念がないと英語そのものが日本語とは別の物だと理解させるのに時間がかかります。
そういった場合は、イラスト付きのおもちゃがあると便利です。
ここではおすすめのゲームを3つ紹介します。
Touch the ABC
Touch the ABCはアルファベットを知らない幼児向けの簡単な遊びです。
まずはアルファベット表を用意しましょう。ゲームの手順は下記の通りです。
- 保護者がアルファベットを指さしながら、読み方を教える。
- 子どもが覚えてきたら、宣言したアルファベットを子どもに指さしをしてもらう。
- 子ども2人以上もしくは、大人も混ぜて全員で速さを競う
このゲームは2歳から始められます。勝ち負けを楽しめるようになるのは、4歳頃からと考えられていますがアルファベットを覚えさせる目的なら2歳頃から初めてみてもいいでしょう。
Let’s make a Face
このゲームは日本語で言うと福笑いです。
顔のパーツだけ英語で覚えさせたら準備完了です。顔のパーツは「Head, Shoulder, knees and toes」の2番の歌詞で覚えられるので、こちらも楽しく覚えましょう。
後は日本語の福笑いと同じく、目隠しをさせて指示を出します。
その際に指示は英語で出しましょう。もし子どもがパーツの名前を正確に覚えてないと、日本語で遊ぶよりも変な顔になり逆に盛り上がります。
First Words Flash Cards
First Words Flash Cardsは日本語でもフラッシュカードと呼ばれるもので、受験生が作る単語帳と似たようなものです。
オモテには動物の絵とスペルが書いてあり、ウラにはスペルだけが書いてあります。このカードは2つの遊び方があります。
- オモテを見せて、指定した動物の英語発音を子どもに読ませる遊び方
- ウラを上にしてかるた状に床にちりばめて、動物の名前を日本語で宣言し、それをかるたのように取り合う遊び方
①の遊び方で、スペルの読み方とイラストを一致させたら②の方で遊ぶようにしましょう。
※①の前に②のやり方で遊びすぎると、動物を「英語ではなく日本語に訳してから変換」するようになる可能性があります。英語を直観的に理解する妨げになるため、①の遊びを重視してください。
あまり種類はありませんが、オモテに絵やイラストだけが書いてあるカードを使う事で、動物のイメージと英語を直結するようになるでしょう。
この「First Words Flash Cards」は動物以外にも、動詞編や日常用品など英語学習初心者が最初に覚えるべき単語はほとんど対応しています。動物版で子どもの食いつきがよかったら他のカードも試してみてください。
Go Fish
4歳以上が対象のアルファベットと動物のスペルを覚えられるカードゲームです。
AからZまでの26文字が大文字と小文字で2枚ずつ52枚入っていて、アルファベットと一緒にMならmouse、JならJaguarなど対応した動物が描いてあります。
裏地はトランプのように全て一緒なので、神経衰弱やババ抜きのように絵合わせゲーム感覚で遊べます。
ここではGo Fish版ババ抜きの遊び方を解説します。
- 3人以上で集まり1人5枚ずつ手札として持ち、残ったカードは山札にする。
- 自分のターンになったら、1人を指名し自分が持っているアルファベットと同じアルファベットのカードを持っていそうな人に「Do u have 〇(アルファベット)?」と質問する。
- 指名された側は持っていたらそのカードを渡し、山札から1枚引く。
- 指名した側もされた側も揃ったらカードを捨てる。
- 手札がなくなったらあがり
このように英語でのやり取りをゲームの中に取り入れる事で、英会話を自然に取り入れられます。
「I did it!」のように掛け声を英語にすると、より幅広い表現が手に入るようになるのでオススメです!
アニメも子どもの英語の勉強にぴったり
遊びではありませんが、アニメも子どもが楽しんで英語に触れる1つの方法です。実際に英語の勉強として子どもにアニメを見せる親御さんもいらっしゃいます。
https://twitter.com/charlotmkc1/status/1258732052582526977
英語アニメのメリットは、子どもに自然な発音の英語と自然な表現を学ばせられる点です。
表現に関しては本記事で紹介したゲームなどを通して、復習するとより子どもにとっては自然に受け入れられるようになります。
そのため子どもにただ見せるのではなく、親は自分の英語の勉強もかねて一緒に見るのがおすすめです。
ここではNetflixとYouTube両方で見られる幼児期の子どもにおすすめの英語アニメを紹介します。
- ペッパピッグ・・こぶたの女の子とその家族がほのぼのする日常を過ごすアニメです。
- おさるのジョージ・・動物園のおさるがやんちゃをして、飼育員のおじさんに叱られるアニメです。
- word party・・独特な人型のキャラ達が新しい言葉を覚えていく番組です。
- セサミストリート・・エルモが特に有名なキャラですが、それ以外にもたくさんのキャラが出てくる指人形劇です。
おさるのジョージやエルモは日本でも定番で、ロングセラーなのでまずはこれらの作品から見せて反応を見てみましょう。Netflixでは絵がきれいでクオリティが高いオリジナル作品も多数あるので、子どもがアニメにハマったら、そちらも試してみてください。
ただしアニメの見せすぎもよくないので事前にアニメを見せる時間を決めておく事をおすすめします。
まとめ:普段の遊びに一工夫加えて英語の勉強の機会にしよう!
外国語は成長すればするほど完璧な習得は難しくなると言われています。「早く勉強させなきゃ!」と焦って英語を習わせたり勉強させる親御さんもいらっしゃるでしょう。
しかし本記事で紹介したように、子どもにとって一番効率のいい学びの方法は「遊び」です。英語でも遊びから「単語」や「発音」「会話表現」など、多くの事が学べます。今回紹介した道具が必要ない遊びをもう一度振り返っておきましょう。
英語の遊びも、日本で普段遊んでいるような馴染みのある遊びばかりなのが分かります。
英語遊びだからといって、無理やり単語を覚えさせるのではなく、出来るだけ普段の遊びと同じテンションで接してあげてください。あくまでも遊びの一環として日常的に取り入れ、いつの間にか覚えているという状態が理想です。
親子で楽しみながら気負わずに取り組み、子どもが自然に英語に興味を持つまで待つのが親子ともどもストレスフリーな英語教育といえるでしょう。