乳幼児医療費助成制度は何割負担してもらえる?申請手順もしっかり解説!

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幼児はケガもしやすく急な発熱など体調を崩しがち。病院に訪れる機会も出産前より多くなる方が多いでしょう。そこで心配になるのが医療費の負担です。

日本には国や地方自治体が乳幼児の医療費を助成してくれる制度がありますが、新米ママ・パパはご存知でない方も多いのではないでしょうか?

本記事では

  • 乳幼児医療費助成制度ってどんな制度?
  • 自分の住んでいる地域の負担額はどうやって確認できる?
  • 助成を受けるために必要な手続きはあるの?

といった疑問にお応えします。

特に乳幼児医療費助成制度はお住まいの自治体によって負担金額が違う複雑な制度なので、しっかり理解しておきましょう。

こちらの記事を最後まで読んでいただければ、乳幼児医療費助成制度の特徴や適用範囲など詳細がわかります。少しでもお子さんが健康を維持できるように、病院が負担にならないための制度を活用しましょう。

乳幼児医療費助成制度とは

乳幼児医療費助成制度は、乳幼児の親御さんにとって医療費の負担を軽くできるシステムです。この制度がどんな制度か分からない方のために、まず3つのポイントで簡単に解説します。

それぞれのポイントを具体的に見ていきましょう。

乳幼児の医療費負担が軽くなる法律

乳幼児医療費助成制度は、乳幼児の医療費に対して通常の国民健康保険に加えて県や市町村などの自治体が助成金を出し保護者の負担を減らすための制度です。

一般的には、7歳以上の子どもが病院で受診した場合3割の医療費を自己負担します。しかし、6歳未満(小学校就学前)には自己負担分の一部または全額を県や市町村などが助成すると法律で定めているのが乳幼児医療費助成制度です。

◆医療費の総額が1万円だった場合

総医療費10,000円=7,000円(国民健康保険で支払われる)+3,000円(一部または全額が助成の対象)

自治体によっては15歳までのところも!

自治体によっては0歳~15歳までを対象に「乳幼児・こども医療費助成制度」と一括して運用している場合もあります。

負担額や所得制限などは自治体によって異なる

乳幼児医療費助成制度の自己負担額がいくらになるのか(一部になるのか全額になるのか)や親の所得制限が設けられているかどうかといった対象の範囲は自治体によって異なります。また、県と市の両方で助成するケースもありかなり複雑です。

「関東はいくら」といった規則性があるわけではないので、ご自身のお住まいの自治体のホームページで確認してみてください。

乳幼児医療費助成制度を受けるための手順は?

乳幼児医療費助成制度は制度の適用対象に入っていれば自動的に制度の恩恵を受けられるわけではありません。ここでは、一般的な3つの手順を紹介します。

  1. 助成対象者に入っているかの確認
  2. 自治体に申請書を提出する
  3. 病院などの窓口では受給者証と認定証も提示する

それぞれの手順について具体的に解説しましょう。

助成対象の条件を確認

乳幼児医療費助成制度を利用するためには、対象者としての条件を満たしていなければなりません。どの自治体でも変わらない国が定めている条件は下記の通りです。

  • 申請先の自治体に居住していること
  • 健康保険に加入している乳幼児
  • 生活保護を受けていない乳幼児

どの条件も自分が該当しているかどうかは調べなくても分かる程度の難しいものではないので、問題ないでしょう。

一方で自治体によって異なる条件として、「年齢区分(年齢上限)」「所得制限」が加わります。特に所得制限は正確に把握していない方もいると思うので、事前に制限があるかないかを自治体のホームページ等で確認してから次のステップに進みましょう。

自治体に申請書を提出する

ご家庭が制度対象に該当している事を確認したら、自治体に申請書を提出しましょう。提出方法は直接窓口もしくは郵送の2つがあります。

郵送の場合、申請書自体は自治体のホームページからダウンロードできるので、ご自身でプリントアウトしたものを使ってください。

窓口で申請する場合には、「子どもの健康保険証」「印かん」「所得・課税証明書」が必要です。所得制限が設けられている地域では「所得・課税証明書」など普段手元にはない資料も提出する事になります。窓口に行く前に事前に必要な証明書を確認し、手に入れておくようにしましょう。

病院などの窓口では受給者証や認定証を提示する

申請が通れば乳幼児医療費助成制度が適用され、医療機関での医療費減額を受けるための「福祉医療費受給者証」が交付されます。この証明書は一般的な健康保険証と一緒に提出してください。

もしこの「福祉医療費受給者証」を医療機関に忘れても、後に還付金を受け取れる自治体もあります。方法は自治体によって変わりますが、市役所などのサービスセンターや専門の課まで訪れれば銀行口座に振り込みなどの形で還付金を受け取れます。詳細な方法についてはご自身がお住まいの自治体のホームページをご覧ください。

また、子どもの入院・通院に関わらず、医療費が高額になる場合は「限度額適用認定証」も必要ですので、合わせて申請してください。

乳幼児医療費助成制度にまつわるQ&A

乳幼児医療費助成制度は自治体によって制度の概要が変わるので、統一的な情報を見つけるのが難しくなっています。ここでは、よくある乳幼児医療費助成制度のQ&Aを見ていきましょう。

どれくらい医療費は安くなるの?

自治体によって異なりますが、多くの自治体が3歳未満の入院・通院を「自己負担なし」としています。

また、受診者が一部を負担する場合でも、通常の健康保険の3割よりも少ない2割に定めたり、1つの医療機関での医療費は200円までにする(負担上限を設定する)など形態は様々です。

教育費など出費がかさんでしまう育児家庭に対する家計の支援になっています。

対象者でも助成されない医療費があるの?

自治体ごとに規定が変わりますが、乳幼児医療費助成制度が受けられる対象者でも助成されない医療費はあります。ある自治体を例に、一般的に助成されない医療費をまとめました。

◆助成対象外となるもの

  • 保険がきかない治療……健康診断料・予防接種料・歯の治療に必要な貴金属などの材料・差額ベッド代など
  • 学校等でけがをした時……災害共済給付制度の対象となる可能性
  • 入院時の食事……健康保険が定める入院時食事療養費
  • 訪問看護ステーションによる訪問看護……保険診療であっても対象外
  • ほかの公費負担医療との併用……指定難病、小児慢性特定疾病、障害者自立支援医療など

子どもが医療機関を利用する場合でも、助成の対象にならないものもあると注意しておきましょう。

助成は県外など全国どこでも受けられるの?

原則、助成が受けられるのは申請をした自治体のみです。県外や市外などで医療機関を利用した場合は、窓口で保険適用外の医療費を負担しなければなりません。ただし、利用した範囲外の病院で医療費を自己負担した場合でも、後から自治体に申請することで差額分の一部あるいは全額が払い戻されます

幼稚園でケガをしても給付は受けられるの?

幼稚園や保育園などの「学校」でケガをした場合は、独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度の対象になります。したがって、乳幼児医療費助成制度は適用されません。

災害共済給付制度を活用すれば確実に自己負担が0になるので、自己負担割合が高い地域では災害共済給付制度を利用した方が負担は少なくてすみます。

未婚の母もしくは父でも助成してもらえるの?

片親の場合、自治体によっては母子家庭等医療費助成制度など別の制度が準備されており、乳幼児医療費助成制度よりも負担額が少なく済むようになっています。

この片親家庭の為の制度も乳幼児医療費助成制度と同じく運営主体が地方自治体のため、お住まいの地域によって「所得制限」や「助成対象者(子どもだけか親子両方か)」などの規定が変わってきます。自分がどの制度活用すべきか混乱している方は自治体のサポートセンターに電話して相談するのが一番早い方法です。

まとめ:家計を助ける乳幼児医療費助成制度

乳幼児医療費助成制度とは、子どもの医療費の負担を軽減させる行政システムです。厚生労働省が管轄する国民健康保険などと連動して運用されています。

子供は体調を崩しやすく病院にいくことが多くなりますが、条件さえ整えば乳幼児医療費助成制度を利用できますので、少しでも家計の負担を減らしていきましょう。

  • 申請先の自治体に居住していること
  • 健康保険に加入している乳幼児
  • 生活保護を受けていない乳幼児
  • 所得が一定水準以下であること(自治体の規定を確認)
  • 年齢が○○歳未満であること(自治体の規定を確認)

所得制限や年齢制限の規定については、自治体によってかなり違うのでご自身がお住まいの自治体のホームページをご覧ください。「○○市 乳幼児医療費助成制度」と調べればすぐに見つかります!

この制度を活用し、少しでも医療費による家計の負担を減らすように努めましょう!

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