幼児期から学習習慣を身につけておくと、将来子どもの学力が変わるとも言われています。勉強が好きな子、嫌いな子の分かれ道はどこからはじまっているのか。親として子どもにしてあげられることは何なのか。皆さんも知りたくありませんか?
子どもが社会に出たときに必要な「使える力」を育む教材を開発し、全国展開している「学習教室ガウディア」。その直営教室で長年にわたり指導経験を持つ「センター北教室 室長」の木下愛子氏に、子どもの教育方法のコツや注意点を徹底インタビューしてきました。
幼児の教育現場から効果的な子どもの教育方法を学んで、ぜひ今後の子育ての参考にしてください。
ガウディアセンター北教室 室長
木下 愛子 / Aiko Kinoshita
■公式HP:https://gaudia.co.jp/
2012年~幼稚園アフター保育勤務。2014年~幼児教室勤務。
幼児から小3までの個別・グループ指導、小学校受験の授業補佐、保護者面談などを行う。
2017年~ガウディアセンター北教室勤務。
幼稚園・小学校教諭の資格や子育て経験も活かし、教室長として幼児・小学生の指導にあたる。
宿題をやりなさい!親の強制が子どもの学習意欲を奪っていく
――幼児のうちから学習習慣をつけるために親がやるべきことはありますか?
ガウディアセンター北教室では、「毎日同じ時間にお子さんにプリント(宿題)を渡してください」とお願いしています。朝でも食事の前でもその後でもいいので。「宿題は毎日〇時にやろうね。」と子どもとお母さんの間でまずはお約束するんです。
もし宿題を嫌がるときは無理にやらせない。前の日にやっていないのなら「前回の分をやってないけどどうする?」と。その後も2枚3枚と宿題がたまっていくのなら「今日たくさんやらないといけないね、なんでたくさんになったのかな」と、つねに子どもと対話しながら自分で考えてもらうことです。
そうして「やらないと自分が困るんだ!」と気付かせてあげることで自主的に宿題もできるようになってくるんです。その積み重ねで学習することが当たり前の日常に変わっていく。
ここで大事なのが、できた時はたくさん褒めること、そして親から一方的に「宿題やりなさいよ!」と強制しないことです。結局無理に宿題をやらせても、興味を持ってない子どもはしっかり学習せずに適当に済ませて終わらせてしまい、目の前のことだけをいいかげんに終わらせる悪い習慣がついてしまいます。実際その宿題をみてみると、内容を読んでいなかったり、チグハグな解答をしていたり…。まったく身にならない学習時間は、子どもにとっても親にとってもメリットがありませんよね。
朝型学習の習慣をつけた子どもは成績があがる傾向に!
――毎日同じ時間に宿題を行うとのことですが、効果的な時間はありますか?
子どもが学童とかに行っている場合、「時間がないので宿題は週末にまとめてやっています」という子がいます。そういう子たちは、なかなか学力が伸びていかない傾向にあるんです。やはり1日のうちに1週間分まとめて学習しても、集中力が続かないので身についていないということなんですよね。
毎日決まった時間に勉強している子は、限られた時間に集中的に学習をするので理解力も高く成績もあがっていくんです。やはり「集中力が続く時間内」で勉強することが学習内容がしっかり頭に入るためのカギとなっていると感じています。
また学力が伸びていく子の傾向として、毎朝だいたい15分ぐらいで集中的に宿題をやると決めている子が多いです。朝は頭がすっきりしていて、集中力・やる気・思考力が最も高く効率がいい時間帯と言われていますから。
また幼いうちから朝学習する習慣をつけておけば、いずれ受験をむかえたときにもメリットがありますよ。たいていの入学試験は午前8時~9時ごろから始まるので、本番でも朝から頭をフル回転して最高のパフォーマンスを発揮できるわけです。
なので、幼少期のうちから学習習慣をつけたい!成績をあげたい!ということであれば、毎朝決まった時間帯に学習することをおすすめします。
詰め込みすぎは逆効果!親の焦りが子どもの勉強嫌いを生む
――子どもを勉強嫌いにしない方法や勉強嫌いを克服する方法はありますか?
幼児期の勉強嫌いはとても危険です。お母さんが子どものためと思って、たくさんの宿題を詰め込みたがることがあるんです。出来る限り多い課題、30分でも多い学習時間。たくさん勉強すればもっと頭が良くなると考えてしまっていて。
でも幼児の集中力はだいたい20分くらいですから。例えば話の長い人っているじゃないですか。最初はしっかり聞いているけれど途中からだんだん聞けなくなってくる。聞けないというより、聞く耳をもたなくなってきちゃうんですよね。
それと同じで、子どもの宿題量や時間を増やして無理矢理詰め込もうとしても逆効果なんです。途中で集中力が切れて、宿題が進まなかったり頭に入っていなかったり。こういったことが結果的に「勉強したくない。勉強嫌い。」という気持ちにさせてしまうんですよね。
勉強嫌いになる子の特徴として、親子関係がうまくいっていないケースもあります。親が「ああしなさい、こうしなさい。」と強制したり、「なんでできないの!」と叱りつけることで、病んでしまった子なんかもたくさんみてきました。なので、ガウディアに通うお母さん方には、強制するのではなく対話をして子ども自身で考えるように促すことをお願いしてます。
一度勉強嫌いになってしまった子を「勉強好き」に変えるのはとても難しいことです。子どもの年齢が1年生、2年生、3年生と上がっていくほど、自我も出てきて克服に時間がかかってきます。そうした意味でも幼少期から学習を習慣化しておくことが大事なことだと考えています。
ですがもし勉強嫌いになってしまったら、まずは子どもが出来ることをゆっくりやらせてあげてください。温かく見守って、できたことはたくさん褒めて自信をつけさせてあげる。大抵のお母さんは焦ってしまってここが出来なくなってしまうので。勉強嫌いを治すには、焦らず子どもとじっくり向き合うことが克服への第一歩です。