子どもの考える力を伸ばすためにすべきこと、NGなこと|教育現場インタビュー

+7

暗記力より思考力が問われる時代。子どもの考える力を伸ばすために、幼児のうちからできることはあるのか?と悩んでいる保護者様も多いかもしれません。

そこで今回は、子どもの考える力を伸ばすために親がしてあげられること・注意すべきことについて、子どもが社会に出たときに必要な「使える力」を育む教材を開発し、全国展開している「学習教室ガウディア」で、その直営教室で長年にわたり指導経験を持つ「センター北教室 室長」の木下愛子氏に、徹底インタビューしてきました。

幼児の教育現場から効果的な子どもの教育方法を学んで、ぜひ今後の子育ての参考にしてください。

取材協力者プロフィール
ガウディアセンター北教室 室長
木下 愛子 / Aiko Kinoshita
■公式HP:https://gaudia.co.jp/
2012年~幼稚園アフター保育勤務。2014年~幼児教室勤務。
幼児から小3までの個別・グループ指導、小学校受験の授業補佐、保護者面談などを行う。
2017年~ガウディアセンター北教室勤務。
幼稚園・小学校教諭の資格や子育て経験も活かし、教室長として幼児・小学生の指導にあたる。

 

話す機会や自由時間を作ることが子どもの考える力を伸ばす!

 

――幼児の考える力を伸ばすポイントを教えてください。

やはり会話がとても大事だと思います。現代のお母さんは働いていることも多く毎日が忙しいので、子どもとの会話が少ないと感じています。なので出来るだけ時間を作って子どもとお話しをするようにしてください

大事なポイントは、保護者様が子どもとの会話を楽しむこと。可能であれば、おじいちゃんおばあちゃんなどの家族や親戚、近所の方々など、多くの人と接する機会を増やすこともおすすめです。私の教えてきた子ども達をみていると、やはり大人と話す機会が多い子は、脳の発達も早いと感じました。

ひとえに会話といっても一方的ではなく、ひと工夫加えると効果的だと思います。たとえば、「どうする?」という言葉。生活の中で洋服についてでも何でもいいのですが、「どれにするの?」と質問をして、最後には子ども自身に決めてもらうようにすること。「これを着なさい。」というようにお母さんが勝手に決めてしまうと、子どもは全く考えない子に育ってしまいます。

それともう1点は、子どもの自由時間です。週に1~2回でもいいので、「今日何しようかな?」と考えられるように自由時間を作ってあげてください

忙しい日常を送っているのは保護者様だけではありません。今では子ども達も習い事の掛け持ちをしていたりでとても忙しいです。習い事が多い子は、何事も機械的にこなすだけになっていて、わずかな空き時間も時間がただ過ぎるのを待ってしまいます。そのため、自ら何かを考えることができにくくなってしまいます。

考えることに慣れていない子どもは、少し思考力を試させる問題に出会うとすぐ嫌気がさして「やりたくない」という思いに結びつきやすい傾向があります。だからこそ、幼児のうちから考える習慣が出来ていることが大事だと思います。

習い事は2つまで!詰め込みすぎは子どもの思考力を失速させる!

――幼児の考える力を伸ばすために親が注意するべきことはありますか?

考える力を伸ばすポイントでもお話しさせていただきましたが、忙しいからといって、子どもの話を聞かなかったり、子ども達の遊ぶ時間を潰してしまうことはNGです。

今の子どもは、習い事の掛け持ちが多くてゆったりとした自分の自由時間を過ごす間もなく、幼稚園生や小学1年生くらいで「疲れた」と平気で言うのです。スポーツも音楽も勉強も・・・と親の思いで、とにかくたくさんの習い事を詰めている子どもも多いのですが、習い事が多ければ多いほど、どれも大きな身にならず結果を出しにくくなります。だからガウディアに通う子の保護者様には、面談時に「習い事は2つまでにしてください。」とお勧めしています。

今は教育も多様化していて、昔よりも多くの習い事があると思います。ですが、親の思いを強く押し付けないことが重要です。もちろん子どものことを考えるがゆえだと思うのですが、スポーツも音楽も勉強もと夢が膨らみすぎて、子どもに時間的負担と精神的負担を与えてしまっては逆効果になってしまいます

また、子どもが自ら「あれやりたい、これやりたい」と言うこともあるかもしれません。そういう場合は、まずは体験見学などさせてあげたらいいと思います。やりたいと言うことを全てすぐにやらせた結果、子ども自身がパンクしてしまい、学校にも行けなくなってしまったという例があります。

子どもは、あれこれ出来るようになりたいという気持ちより、褒めてもらいたいということが根本にあります。特に幼い男の子はお母さんが大好きな時期ですので、「すごいね!えらいね!」と、お母さんに褒められたいのです。

女の子に比べて男の子のほうが、愛情を求めているのを感じます。私たちも子どもをよく褒めることがあるのですが、男の子のほうが喜ぶ反応がすごく大きいです。もっともっとやる!と鼻を膨らませて、嬉しそうにしている(笑)逆に女の子は、褒めても少しクールな表情をしますね。男の子よりも精神年齢が高い分、多少の気難しさがありますが手が掛からない良さもあります(笑)

男の子も女の子も早い段階から考えることに慣れさせておくことで、考えること自体に抵抗がなくなります。保護者様はぜひ、たくさん褒めてあげてください。褒める時は、ただ何でも褒めるのではなく、できたこと一つ一つを具体的に褒めてあげるといいと思います。それが子どもの自信につながり、自ずと考える力が伸び、何事も積極的に取り組める子になっていくのです。

+7
21世紀の子育てを考えるメディア「How Kids」