【子育て初心者さん必見】慣らし保育って?保育園を探す前の予備知識!

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これから「初めて子どもを保育園・幼稚園に預けよう」と考えているお父さんお母さんは、慣らし保育という聞きなれない言葉に戸惑っていませんか?

保育園を調べ始めてから、慣らし保育を知ったという方にはよくこのような悩みがあります。

  • 慣らし保育ってなんのためにやるの?
  • 慣らし保育の最適な期間や時期が分からない!
  • 慣らし保育に向けて覚悟しておいた方がいい事はなに?

初めて子どもを保育園・幼稚園に通わせる場合、知っておくと役に立つことがたくさんあります。こちらの記事では、慣らし保育について詳しく学んで安心いただけるよう、以下の流れで解説します。

こちらの記事を最後まで読んでいただければ、慣らし保育の全容がつかめます。いつから始めるか、どれくらいの期間で通わせるかなど、具体的なスケジュールも立てやすくなるはずです!

慣らし保育とは

慣らし保育とは、子どもを保育園や幼稚園に通わせる前に行う体験保育のような期間のことです。
通常は無事保育園が決まって、本格的に保育園通いが始まる前に体験します。

子どもが家庭以外の環境で過ごすこと、親以外の人と接することに少しずつ慣れてもらうための保育期間です。具体的な方法は園によって多少異なりますが、たいていの場合数日かけて徐々に時間を伸ばしていくことで子どものストレスを最小限に抑えて、生活リズムをつかんでもらいます。

一般的には初日の通園は1~2時間ほどです。その後少しずつ滞在時間を長くします。子どもによって慣れるスピードが異なるため一概には言えませんが、2週間ほどで本格的に通園していくのが一般的です。

慣らし保育の目的

慣らし保育の目的は、保育園に慣れてもらい、子どものストレスや不安などの負担をなくすことです。

しかし、慣らし保育で「慣らし」が必要なのは子どもだけではありません。

「子どもの慣らし」の他に、「保育士の慣らし」「お父さん・お母さんの慣らし」と3者ともに慣らし期間が必要なのです。

それぞれの理由を具体的に見ていきましょう。

子どもの慣らし

不安を感じやすいお子さんが保育園や幼稚園をホームだと感じられるように慣らすのが、慣らし保育の一番の目的です。

たとえば、0歳~1歳の乳幼児の場合、家族と短時間離れるだけでも強い不安を感じます。また、2~3歳の子どもでも人見知りがひどい場合は、家族以外の人になつくにも時間がかかります。

子どもにとって慣らし保育は、家以外の場所でストレスなく過ごすことや、保育園や幼稚園がどういう場所なのかを理解するのに必要不可欠な過程なのです。

保育士さんの慣らし

保育士さんにとっても子どもに慣れるのは重要なことです。子どもと保育士さんのどちらにとっても「初めまして」の関係ですから、子どもの性格や好み、傾向などを把握する必要があります。

本格的な通園が始まったら、ほぼ毎日、朝から夕方まで長時間をともに過ごす相手なので、慣らし保育で保育士さんが子どもとの関係を築くのはとても大切なことなのです。

また保育士さんとしては、子どもの家庭事情も知っておきたいポイントです。家庭と保育園・幼稚園で連携することによって子どもの生活リズムを整えたり、生活習慣を作るお手伝いができると考えているためです。

こういった観点から保育士さんが仕事をしやすい環境にするためにも慣らし保育は必要なステップだと言えます。

お父さんお母さんの慣らし

初めてわが子を他人に預ける親にとっても慣らし期間が必要です。

いざ子どもを預けたら「泣いていないかな?」「保育士さんを困らせてないかな?」と気になってしまう親御さんも少なくありません。中には慣らし保育の初日に寂しくて泣いてしまうお母さんもいます。

お父さんお母さんが子どもと離れて過ごすこと、子どもの世話を家族以外の人に任せることに慣れて行くことは、慣らし保育の見落とされがちな目的です。

実際に登園するようになれば、長い間子どもを預けることになります。不安が抜けていない場合には、仕事に復帰しても業務に集中できない可能性が出てきます。

そうならないように、慣らし保育期間に保育士や先生と信頼関係を築くようにしましょう。

またこの期間に別の子どもの親との関わりを持っておけば、いざという時に頼りになる存在が出来て安心感にもつながるようになります!

慣らし保育の方法

実際の慣らし保育はどう進めていくのでしょうか。
ここでは、慣らし保育の方法について詳しく解説します。

慣らし保育の期間

慣らし保育は、1週間から2週間が一般的ですが、ケースバイケースで1か月ほど設けられる場合もあります。
もちろん、保育園や幼稚園ごとに規定はありますが、お父さんお母さんの都合と合わせて期間を調整することも可能です。

また、いくら親と園側が日程を決めていても、子どもが熱を出したり、風邪を引いたりなどして体調を崩した場合、慣らし保育を中断して新たに日程を調整することもあります。あくまでも期間は「目安」として、焦らず余裕をもって慣らし保育を活用しましょう。

典型的な慣らし保育のスケジュール

よくある慣らし保育のスケジュールを確認しておきましょう。
たいていの場合、慣らし保育は保育時間9:00~17:00の中で行われます。

慣らし保育のスケジュール例

  • 初日~3日目⇒1~2時間
  • 4~7日目⇒3~4時間(お昼ご飯までの午前中だけ)
  • 8~10日目⇒5~6時間(午前に預けて昼食や昼寝ありなど)
  • 11日目⇒通常通りの保育開始

トータルで1~2週間かけて、少しずつ滞在時間を延ばして子どもを慣らします。
場合によっては、途中まで親の同伴も必要ですし、ステップを移行した途端に子どもが泣きやまず突然お迎えの要請が来ることもあるのでこのスケジュール通りに進まないことも多々あります。

一つの目安として、それぞれのステップで「お昼寝までできればOK」というような、慣らし保育が成功した判断基準も教えてもらうと心の余裕ができるようになるでしょう。

慣らし保育のスタート時期

子どもを保育園や幼稚園に預ける事情はさまざまですが、職場復帰をする前の育休中にスタートさせるのが無難と言えるでしょう。不測の事態が多発するのが慣らし保育です。

急な呼び出しがあった時でも、育休中であればいつでも駆けつけることができるため、親にも保育園にも子どもにも負担が少なくても済みます。

子どもが慣れない内に職場復帰をした場合、職場復帰をしても「子どもが泣き止まない」「お母さんが帰った後に熱を出した」などで早退しなければならず、必要以上に慌ただしくなってしまうこともあります。

育休中には出来る限り子どもと一緒にいてあげたいと思う気持ちも分かりますが、お子さんにつらい思いさせないためにも育休中に終わらせておきましょう。

始めるにあたって事前に確認しておくべきこと

慣らし保育の開始前には「慣らし保育が期限内に終わらない状態に備えて会社に育休延長が可能か」と「お住まいの地域の公共団体に育児休業給付金制度」の確認をしておきましょう。

子どもが育休中に慣らし保育を完了できない場合、育休延長の制度がある会社も少なくありません。ない場合は早めに慣らし保育を開始する必要もあるので、育休の延長については必ず事前に会社に相談しましょう。

また地域の育児休業給付金制度の制度内容を確認しておくとよいでしょう。

育休休業給付金は子どもが保育園に入園すると支給されなくなってしまいます。しかし地域によっては慣らし保育を始めた月の給付金は日割り支給してくれる地域もあるのです。

そのため、もし給付金が絶対に必要だと考えている方は自分の地域がどのような制度で給付金を支給しているか確認しておいてください。

慣らし保育でよくある悩み

子どもにとって、慣らし保育は生まれて初めて経験する「試練」のようなもの。
ここでは、多くのお父さんお母さんが経験した「よくある悩み」と対策について見ておきましょう。

子どもが保育園に行きたがらない

どんなに幼くても、子どもは本能的に預けられる様子を察知します。
たとえば、朝オムツを替えようとしたり、食事を与えようとしたりするタイミングでお子さんがグズグズすることもあるでしょう。子どもは「保育園に行きたくない!」と一生懸命アピールします。

もし、子どもが行きたがらない素振りを見せたら、「○○先生が待ってるよー♪」などと明るい雰囲気で子どもをリードしましょう。お父さんお母さんが一緒になって寂しがると子どもが不安になります。

ここで一番のNG行為は、怒ったり叱ったりすることです。叱られた状態で保育園へ行き、親と離れ離れになるのは子どもにとって精神的によくありませんし、次回から余計嫌がるようになってしまいます。

日頃から、子どもの送迎時に「今日は何して遊んだの?」「明日も楽しみだね!」「○○ちゃんに会えるね!」などと保育園を楽しい場所なんだという認識をさせてあげることも大切です。

子どもが保育園の中で泣いている

子どもが見慣れない人や環境の中で泣くのは、健やかに育っている証拠なので大きな心配はいりません

朝、預けるときは機嫌がよかったのに、ふとしたタイミングで泣き出すのはよくあるパターンです。中には一度泣き出すとなかなか泣き止まない子どももいます。お母さんがいない寂しさや不安、慣れない場所での戸惑いから起こるものですから仕方ありません。

ただ、保育士さんから「ずっと泣いていた」と聞いたら、再会後に子どもに愛情が伝わるようなケアをするとよいでしょう。お迎えのときにギューッと抱きしめてあげたり、手をつないで家まで帰ったり、スキンシップで愛情を伝えることで子どもも安心します。

普段からケアしておくことで「家に戻ったら大好きなママと過ごせる」と理解するようになり、保育園⇔家との切り替えにつながるのです。

子どもが保育園に行くと熱を出す

子どもが保育園に行くと熱を出すという現象はよくあることです。
親にとっては心配ですが、子どもの不安や緊張感、ストレスなどからくるものなので発熱は環境に適応する過程でもあります。

だんだん慣れてくると熱を出すことは減るので安心してください。発熱は心的なストレスからくる場合が多いので、体調のケアというより、心のケアをすることが大切です。お迎えのときに笑顔で抱きしめたり、保育園での楽しい様子を話させたりなどして、子どもの気持ちを和らげてあげましょう。

子どもが保育園になかなか慣れない

慣らし保育の目的は「慣らすこと」ですが、「なかなか慣れない」のは最大の悩みでもあります。
お迎えに行くたび、保育士さんから「よく泣いていました」「ずっとションボリしていました」と聞かされると、不安にならない親はいないでしょう。

ただ、お父さんお母さんが不安になると、子どもが敏感に察知してしまいます。慣れない様子に親が焦るのではなく、「お昼なに食べたの?」「おやつ美味しかった?」など、子どもが「楽しい」と感じていそうな話を引き出し、コミュニケーションをしながら慣れさせてあげましょう。

まとめ

慣らし保育は、子どもだけでなくお父さんお母さん、そして保育士さんにとっても必要なプロセスです。

子どもにとっては親以外の人、家以外の場所に慣れるため、お父さんお母さんにとっては子どもと離れて過ごすことや園側との信頼関係を築くため、保育士さんにとっては子どもの性格や好みなどを把握するため、それぞれに目的があります。

慣らし保育の方法をいつどのタイミングで実施するかは、親子両方の負担を減らすために重要です。
もう一度確認しておきましょう。

  1. 慣らし保育の期間は1~2週間
  2. 慣らし保育の4ステップ
  3. スタートのタイミングは育休期間内
  4. 育休延長可否の確認と地域の育児休業給付金制度の確認

慣らし保育をスムーズにさせるためには一般的な期間やスケジュールを目安にし、お父さんお母さんの予定と合わせながら子どもを慣らすことが大切です。

慣らし保育ならではの悩みもありますが、親が焦ることなく、しっかりと子どもの心をケアして通園に慣らせましょう。

こちらの記事を振り返り、慣らし保育への準備をしておくことで、きっと慣らし保育のハードルを下げることができますよ。

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