パパママ質問箱:子供へのお小遣いはどうしてますか?何歳から、いくらあげればよいでしょうか?

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お小遣いは何歳から、いくらくらいあげればよいでしょうか?

現在は欲しいと言われたものを「お手伝いをしたら」等の条件をつけて買っています。
また、ある程度の金額以上のものは誕生日やクリスマスにプレゼントしている状況です。

将来に向けてお金の勉強をしっかりさせたいと考えておりますが、自分でお金を管理できるタイミングが何歳からなのか悩んでおります。先輩パパ・ママのみなさんが、どのような理由で、いつからお小遣いを開始したか教えて欲しいです。(小学校1年生/女の子の父より)

 

上記質問についてHowKids編集部でベテランのパパママにアンケートを実施したところ70件以上の意見が集まりました。アンケートの意見を大きく分けると以下の3つに分類されます。

早速上記3パターンについて、HowKids編集部が厳選したパパママのベストアンサーを紹介します。
お小遣い制度に正解はありませんが、子どもがお小遣いの体験から得る「お金の考え方」は将来に大きく影響する可能性がありますので気になるパパママはぜひ参考にしてみてください。

計画性を養うなら「定期支給型」

tapyupさん(40代男性)/長女(大学1年)・長男(高校2年)・次男(中学1年)

お金の意味や管理などを理解できるようになる年齢と考え、我が家は10歳から、お小遣い制度をスタートしました。

◆小学生時は「学年×100円/月」
例:4年生の場合 学年4×100円=400円/月

◆中学生からは「月1,000円」をベースに「経費」と「お小遣い」を別にしています。
「経費」は、部活などで必要な(ソックスや遠征交通費など)もの。
学校=会社と見立て、学校生活に必要なものを「経費」と、プライベートで使用する分は「お小遣い」内にて、計画性を持ってやりくりしてもらってます。
「追加申請」は常に受け付けていて、お小遣いでは足りない出費がありそうな時は、理由をプレゼンしていただき、承認制度をとっています。
例:卒業する先輩みんなにプレゼントをしたい。

◆末っ子がスポーツのプロ選手を目指しているので、得点王・勝利給など項目と金額を決め、自身のプレー結果で稼ぐことを学ばせています。
※お金ありきのモチベーションにならないような意識付けはしています。

毎月決まった金額を渡す定期支給型はお小遣い制度の王道。最も多かった意見です。「お小遣い帳をつけながら収支を管理させることで計画性を養うことができる」という声が多く聞かれました。

定期支給型のポイントは

  1. 子供と親が納得できる金額の設定
  2. 「お小遣い」と「経費(本・文房具・部活費用等)」の明確な切り分け
  3. お小遣いが足りないときの追加ルール

の3つにあるようです。

①の金額設定はtapyupさんのように「学年×100円」、「年齢×100円」というケースが多く、②の経費、③の追加ルールについては子どもからのプレゼン形式(相談形式)をとっているケースが多いようでした。プレゼンではパワーポイントを使って必要な理由をロジカルに説明をする訓練をしているというご家庭も。

なお、「お小遣いを何歳から渡すか?」については5歳~13歳頃まで大きく意見が分かれましたが、発達心理学の世界では、10歳頃(小学校4年生)頃から抽象的な思考が出来るようになるとされています(ピアジェの認知発達段階説と言います)。抽象的で難しい事柄が理解できる10歳前後から「定期支給型」でお小遣いを渡すのは理論的にも理にかなっていると言えるでしょう。

「お金=対価」を学ばせたいなら「報酬型」

yuyupokopokoさん(30代女性)/長女(中学1年)

小学校3年生までは、必要に応じて購入していましたが、小学校4年生からはお小遣いバイトをはじめました。欲しいものが少しずつはっきりしてきたこと、お友だちとプレゼント交換などを行うようになったことがきっかけです。

小学校4年生から
・靴並べ1回1円…1日に何度か行うため。
・食事前後のテーブル拭き1回2円
・食事運び1回2円
・食器運び1回2円
・洗濯片付け1回5円…洗濯物は1日に1回なので少し高めに設定
※プラス親に声かけられなくても進んで自ら出来た場合は1回1円をプラス

というルールを決めましたが、1ヶ月で500円前後になります。
これにより、子供が進んで動くようになりました。

5年生からは、4年生のお手伝いにプラスして出来ることを増やしていきました。

・洗い物1回5円…休みの日
・洗濯たたみ1回5円…休みの日
基本的には学校が休みの日ですが、やる気があるときは平日も手伝ってもらいます。

こうすることで、1ヶ月で600円前後になります。

6年生になってから
・料理作り1回5円…休みの日
・洗濯干し1回5円…休みの日

を追加し、1ヶ月で700円前後になります。

その他、誕生日、クリスマスは別に用意していました。

現在はお手伝いバイトは終了していて、必要なときに必要な分だけ渡していますが、お手伝いバイトのお陰で家事の大変さもわかってくれているため、進んで家の手伝いをしてくれています。

また、少ない金額で一生懸命お手伝いバイトをしたことでお小遣いをためることができるようななりました。おじいちゃんやおばあちゃんからもらったお小遣いなどで基本的には欲しいものを買っているので、あまり、親からは別途お小遣いを出すことはありません。

「定期支給型」の次に多かったのは、お手伝いによってお小遣いをあげる「報酬型」。
報酬型は自分の労力でお金を稼ぐため、お金の大切さを身をもって体感できます。またyuyupokopokoさんのご家庭のように進んでお手伝いができる子どもが育つケースもあるようです。

報酬型のポイントは

  1. 最適な報酬金額を設定(子どものやる気/合計支給金額)
  2. お手伝いのカウントルール(お手伝い毎に親がノートに記載する等)

の2つです。

①の金額設定では、低すぎても子どこがやる気を損なう可能性がありますし、高すぎても高額になってしまう危険があります。yuyupokopokoさんの意見を参考にお手伝いによる報酬金額を考えてみてください。

意外と盲点なのが②のお手伝いのカウントルール。子どもと「やった、やっていない」の議論にならないようにお手伝い毎に親がノートやホワイトボード等でお手伝い回数を管理する必要があります。報酬型で進める場合は覚悟を持って、子どものお手伝いカウントに付き合いましょう。

「欲しい物の見極める力」を鍛える都度型

なうさん(40代女性)/長女(24歳)・次女(22歳)

私の家庭では、親子で納得できる形で「必要な時に必要な金額を渡す」という方針でお金を渡していました。

子供が小学4年生のころに、お友達やアニメの影響でお小遣いに興味をもったようで、お小遣いについて話し合いをしました。幼い頃から、お誕生日とクリスマス以外におもちゃを買うことをしてきませんでした。(日常で使う遊びを作り出す材料は、常備していました。)

お手伝い報酬制にしている家庭が多いように思いますが私は「お手伝いは気持ちでするもの」という想いがありましたので、お手伝い報酬制にはしませんでした。
余談ですが「子供が自発的にお手伝いをしてくれて、ありがとうと感謝するやりとり」が嬉しかったのを覚えています。

最初に、試しに3ヶ月だけお小遣いを渡してみて、使い道を見てみたところ、
「お友達とお菓子を買う」
「家族にお土産とお菓子を買う」
「家族や友達にプレゼントを買う」
等の目的が多かったです。

しかし最終的には「欲しいだけの文房具などの線引きが難しいものがある」事が分かり、親子で納得できる形で「必要な時に必要な金額を渡す。」という方針に決定しました。
この方針を、高校生でアルバイトを始めるまで続けました。

現在成人していますが、お金の管理はできていると思います。親子のコミュニケーションや家庭でのお金の考え方を見つめ直し、ご家庭のスタイルを見つけるのがいいと思います。

子どもが欲しい物を主張するたびに親子で相談してお金を渡すのが都度型です。少数派ですが、「欲しい物の見極める力」をつけることができそうです。

子どもが親に対してプレゼンを行なう形式になるため「自分が欲しい理由や必要性をわかりやすくアピールする必要」があります。このプレゼンは「本当に自分が欲しい物なのか?」を考える機会となり、親へのプレゼンを通してロジカルに考える力を養うことができるでしょう。親を説得できない場合には、必然的に我慢する事になり、忍耐力を養う状況も作ることができそうです。

親は子供が欲しがるものを買ってあげたくなるものです。
皆さんが「買ってあげたい欲」をしっかりとコントロール出来るのであれば「都度型」が最適かもしれません。

番外編:村上ファンド創業者:村上世彰氏のお小遣い

ライブドア事件で名を馳せた村上世彰さん(村上ファンド創業者)のお小遣いに関する話をご存知でしょうか?

有名投資家である村上さんは、小学校3年生のとき高校3年生までの10年間のお小遣いとして100万円を受け取り、その100万円を元手に株式投資を開始。大学時代には資産が1億円を超えていたというのです。

投資や資産運用を学ぶには実際に「やってみること」が一番。
投資をすることで世の中の情勢に興味を持ったり、企業の決算書の見方など多くを学ぶこともできるでしょう。

しかし、村上さんが投資家として成功した背景には「お父様が実績のある投資家だった」というバックボーンがあったからです。(村上さん自身も著書「生涯投資家」で『投資哲学のすべては父から学んだ』と述べています。)。

子どもは環境の影響を受けやすいもの。投資を適切に教育できないのであれば、投資を学ぶ子供を育てることは難しいでしょう。

村上さんのお父様のように子供の投資をサポートする環境を整えることができるのであれば、村上さんのようなお小遣い制度を考えても良いかもしれませんね。投資による成功・失敗を経験させることでマネーリテラシーが高い大人に成長させることができるのでしょう。

まとめ:教育方針に沿った制度を参考にする

今回紹介した制度のうち、一番共感できたのはどの回答でしょうか?

本記事では4つのパターンを紹介しましたが、一番重要なのはパパママが考える教育方針に沿っていることです。

  • どんな大人に育ってほしいか?
  • どんな力を身に着けて欲しいか?
  • 選んだ制度に必要なサポートを徹底できるか?

総合的に考えて家庭の教育方針にあったお小遣い制度を選んでみてください。
教育方針に沿ってお小遣いの目的を設定できれば自ずとベストな選択肢が見えてくるはずです。

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