選んではいけない幼稚園とは?幼稚園の選び方のポイントを解説!

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子どもにとっては初めて通う学校である幼稚園ですが皆さんにとっても、初めての学校選びで困惑する事が多いのではないでしょうか?

  • 幼稚園ごとの違いはある?
  • 良い幼稚園は見分けられる?
  • どんな幼稚園を選べば子どもの教育が上手く行くの?

本記事では、お子さんにとって「良い」幼稚園を見極められるよう、下記の流れで解説します。

ぜひ最後まで読んでいただき、ベストな幼稚園を決めるための参考にしてください!

幼稚園を選ぶ前に知っておくべきこと

幼稚園の選び方の前に、幼稚園入園前に知っておくべき幼稚園の基礎知識を確認しておきましょう。

幼稚園選ぶまでのスケジュール

幼稚園は親が任意で子どもに通わせる学校であるため、親が主体的に動かなければ入学機会を逃す事になります。おおまかなスケジュールを知っておき、いつ動き始めればいいか把握しておきましょう。

  •  9月………見学会の実施が始まる
  • 10月………入園説明会が始まる
  • 11月………願書の受付開始・入園審査
  • 12月………審査結果の通知・入園手続き

このように9月から見学会が始まるので、遅くとも8月までには候補の園をリストアップしておくようにしましょう。

プレクラスに注意通常の幼稚園は3歳以上の児童が対象ですが、幼稚園の中には2歳から「プレクラス」と称して園児が園に慣れる期間を設けている幼稚園があります。
しかし、「プレクラス」を実施している中でも特に人気の園では、プレクラスに参加してないと入園審査の際に不利になってしまう場合があります。今の時点で、時すでに遅しという方も最後まで諦める必要はありませんが、入園準備は早めに始めるに越した事はありません。

8月までにすべき情報収集は下記のように進めるとスムーズに進みます。

  1. 市役所や区役所などの保育課で情報を収集し、担当者に詳しい話を聞きましょう。
  2. インターネットで気になる幼稚園のホームページを閲覧しましょう。
  3. 実際に幼稚園を訪問して園の様子や周辺の環境、先生の活動ぶりを参観しましょう。

3つの幼児教育施設

一般的に幼児教育と言った時に、選択肢に挙げられる施設が大きく分けて3つあります。

幼児教育施設の分類

  1. 通常の幼稚園
  2. 認定こども園
  3. 独自の教育理念を持った幼児教育施設

まず通常の幼稚園は、文部科学省管轄の幼児向けの学校です。一番多くの子どもが通う施設であり、「幼稚園教育要領」という全国で統一された教育を受けられる点が特徴です。

次に認定こども園は幼稚園と認可保育所を合体させた施設です。幼稚園と保育園のいいとこ取りをして、最終的には幼稚園と保育所の垣根をなくす事を目標に今は数が少ないですが投入が進められています。

通常の幼稚園と認定こども園に関しては、2019年10月から幼児教育無償化が始まり利用料*が無料になっているため、教育の負担が軽くなっています。(*利用料に給食費やスクールバス代、私立の場合設備維持費などは含まれません。)

最後に、文部科学省の作った幼稚園教育要領とは別の観点からあえて幼稚園設置基準を満たさず、認可外として幼児教育をしている施設です。俳優の斎藤工さんも受けていたというシュタイナー教育などのオルタナティブ教育*と呼ばれる教育方法を導入した園や、体を動かす事をメインで教える園など様々な園があります。

*オルタナティブ教育とは
学校教育法で規定されていない教育法のことであり、代表的なものにシュタイナー教育やモンテッソーリ教育等があります。探求型、少人数制、無学年制といった方式をとることが多いのが特徴で、思考力や行動力が身に付きやすいと言われています。学費が比較的高かったり、オルタナティブ教育実施校では学校教育法上の卒業資格を得られない場合があるので考慮が必要です。
代表的なオルタナティブ教育の1つであるシュタイナー教育については、コチラの記事で詳しく紹介していますので気になる方はご覧ください。
それぞれどんな家庭にどの施設がおすすめなのか表にまとめたので是非ご覧ください。
施設名 オススメの家庭
通常の幼稚園 良い子に育ってくれればいいと考えている家庭、毎日昼頃に迎えに行く余裕がある家庭、費用面が心配な家庭、一番近くの幼児教育施設が通常の幼稚園である家庭、転勤が多い家庭
認定こども園 将来共働きになる可能性がある家庭、一番近くの幼児教育施設が認定こども園である家庭
独自の幼児教育施設 経済的に裕福な家庭、現行の国の方針に納得がいかない家庭、英才教育をしたい家庭、

入園後に仕事をするか迷っている場合は保育園でもいいの?

今後共働きに移行をする可能性を踏まえて保育園も見ておきたいと考えている親御さんもいるのではないでしょうか?

ここでは、まず幼稚園と保育所の違いをわかりやすくするため、一覧で見ておきましょう。

幼稚園 保育園(認可保育所)
管轄 文部科学省 厚生労働省
法的な位置づけ 学校 児童福祉施設
対象年齢 3才~小学校入学前まで 0才~小学校入学前まで
保育時間 4時間(教育標準時間) 11時間(保育標準時間)
または8時間(保育短時間)
先生の立場(資格) 幼稚園教諭 保育士
入園対象者 全員 基本的に保育を必要としている家庭の子ども

表を見ると幼稚園と保育園はほとんどの面において、一見違うように見えます。しかし、実は現在保育園と幼稚園の垣根はなくなりつつあります。保育園は幼稚園の教育要領と同じ指針で教育(遊び)を行い、幼稚園は延長保育を実施出来るように整備を進めている施設が増えています。(待機児童問題が解消していないため、保育園の入所制限はあります。)

そのため、今後働きたいけど現在は働いていないから保育園に入れないという方は延長保育を実施している幼稚園を選べば問題ありません。また国の政策により、ファミリーサポートなどの地域の保育サービスなども充実してきているのでそれらをフル活用すれば厳しい就労条件でなければ対応可能と言えるでしょう。

逆に保育園対象者だけど無理してでも幼稚園の統一された教育を受けさせたという方も、基本的に幼稚園と保育園は同じ教育を提供しているので無理をして幼稚園に通わせる必要はありません。

幼稚園を選ぶ時に見ておくべきポイント

ここでは幼稚園を選ぶにあたり、どのようなポイントを押さえればいいのか、具体的に解説します。

幼稚園選びの検討項目

幼稚園選びでは、それぞれの園を比較しやすくするため下記のような比較表を作成するのもおすすめです。ここでは、一般的な検討ポイントを抽出した作成例を紹介します。

◆検討項目の比較表一例

検討項目 さくら幼稚園 ひまわり幼稚園 コスモス幼稚園
自宅からの距離 徒歩10分 車で5分 車で10分
園の雰囲気 ほのぼの にぎやか 品がある
園の教育方針 地域との連携を強化 自由度が高い 英才教育寄り
給食か弁当か 給食 週1回は弁当 弁当
月額の費用 約3万円 約4万円 約5万円
施設の状態(広さ・清潔感) 園庭が広く菜園もある 明るくて教室の並びも独創的 新校舎で遊具が充実
行事やイベントの頻度 月1~2回 月2~3回 月4~5回
預かり保育があるか あり あり 平日のみ

ほかにも、「特徴的な科目」「送迎バスの有無」「入園倍率」など、気になる項目があれば追加して、実際の保育園選びに役立ててください。

ここからは特に気を付けるべきポイントを2つ紹介します。

ポイント① 家と幼稚園の教育方針の相性をチェック

幼稚園で子どもに「どのような」教育をしてほしいのか、夫婦で教育方針を話し合っておくことも大切です。「家庭」と幼稚園との相性をはかるため、お互いの教育観を共有しながら最終的に入園先を決めるましょう。

教育観や教育方針というと堅苦しくなってしまうかもしれませんが、「○○な子どもに育ってほしい」「子どもの将来に○○な経験をさせたい」「子どものうちに○○だけは味わわせたい」など、親として子どもに与えたいことを出し合うのがおすすめです。

また、夫婦それぞれが幼少期に学んだり経験したりしたことで「よかった」と思えることを共有すると教育方針を考えるヒントにもなります。最終的には現在の子どもの性格を考えた上で、自分達と似た方針で子どもを育成している幼稚園を選ぶことがポイントです。

ポイント② 立地はかなり重要!

幼稚園に実際に入園している期間は最低3年長いと5年あるので、幼稚園までの立地はかなり肉体面でも精神面でも重要な要素の1つです。

幼稚園の立地の良さを評価するポイントは下記の3つです。

  1. 自宅からの距離
  2. 小学校の学区内かどうか
  3. 幼稚園や周囲に習い事や教室は多いか

スクールバスがあれば自宅からの距離は関係ありませんが、毎日決まった時間を通園に取られるのはかなり送り迎えする親御さんのQOLに関わってきます。片道の通園時間が5分違うだけで1年間で約3日分の違いが生まれます。

また自転車で通園しようとしてる皆さんは子どもと歩く雨の日は倍以上の時間がかかる事を忘れないようにしてください。その他にも気にすべき事は沢山ありますが、杉並区の案内が分かりやすく紹介してくれているので一度目を通してみる事をおすすめします。

また、小学校学区内かどうかも重要です。多くの家庭は近くの園を選ぶため小学校の学区内にある幼稚園に通っている場合が多いです。

新しい友達になれるのが苦手なお子さんの場合は、小学校の学区内にある幼稚園に通って事前に友達がいた方が安心です。

習い事を沢山させたい親御さんは、近くにスイミングスクールや英会話教室等の習い事ができる施設がないか事前にリサーチしてあるとより満足度の高い幼稚園を選べるはずです。

幼稚園を選ぶ時の注意点

幼稚園を選ぶとき、子どもを主体にしてプラス面を探すことに偏りがちですが、マイナス面にも目を向ける必要があります。ここでは、親などの保護者にスポットを当てた幼稚園選びのマイナスポイントを解説しましょう。

NG①保護者の負担が多い幼稚園はやめておこう

たとえば、運動会などの行事のほか、園内の清掃など保護者参加型の特色をもつ幼稚園だと保護者の負担が大きくなります。また、保護者会などの活動が活発だったり、保護者全員が役に就かなければならなかったりなどのケースもあります。

季節ごとの行事やイベントが充実しているのは魅力に映るかもしれませんが、どれぐらい保護者が幼稚園のイベントを運営するのか知っておきましょう。

そういった情報は説明会で紹介されるとは思いますが、事前に乳幼児向け施設等で情報を集められるとベストです!

NG②園見学しないで園を決める

実際に自分の目で見て確かめないと、園や先生、子ども達の雰囲気は分からないため園見学は必須です。

いくつか気になる幼稚園がピックアップできたら、事前に見学に行きましょう。ここでは、見学時のポイントを紹介します。

項目 チェックポイント
園について(施設面) ・清潔感はあるか、衛生面はどうか
・園庭の広さや遊具の数などはどうか
・子どもが安全に過ごせそうか
・災害時の対応はどうなっているか
園について(教育面) ・教育方針
・行事のスケジュール
・教育カリキュラム
・1日の流れ
・一番力を入れている点
先生について ・園児との距離感や接し方
・ベテランの先生はいるか
・園児と楽しそうに接しているか
園児について ・園児たちの表情は明るいか
・先生や友達と楽しく接しているか
自分の子どもについて ・どのように反応しているか
・なにに興味をもっているか
その他 ・送迎バスを利用する場合の時間
・預かり保育はあるか
・課外活動はあるか
・保育料以外の費用はどうか

また、自分の判断だけでわからないことは先生などに訊ねて、より具体的な通園イメージをわかせるとよいでしょう。

NG③質の高い教育を気にしすぎる

お子さんに「出来るだけ良い教育を受けさせてあげたい!」と考えるのは親心として当然です。しかし皆さんはいい教育とはどういう意味か考えたことはありますか?

中には、「小学校の先取り学習をして小学校入学時からスタートダッシュを切れる」ような教育がいい教育だと思っている方もいるかもしれません。

しかし実際には、幼稚園や保育園でするべき幼児教育と小学校以降にすべき教科教育では大きく方向性が異なる事に注意しなければなりません。

小学校以降では考える力や知識を付けるために教育しますが、幼児教育では考える意欲や好奇心・人間性を育てます。幼児教育で培われた心を土台にして、小学校以降で頭を育てるのです。

つまり頭がいい子よりも、性根がいい子を育てる教育が質が高い教育だと言えるでしょう。

ついつい「質の高い教育=計算が早くなる、暗記力がよくなる」と考えてしまいます。もちろん勉強面も大事ですがあまりこだわりすぎずに、通っている子どもに良い子が多い園という基準で選んだ方が将来的に良い幼稚園だったと思う可能性が高まります。

子どもが楽しい幼稚園=いい幼稚園

幼稚園は小学校就学に備え、子どもの心身の発達を築くための施設ですが、子どもにとって「良い」環境であることはもちろん、送迎や行事に関わる親にとっても「通いやすい」場所でなければなりません。

ここで、幼稚園を選ぶ際のポイントを振り返っておきましょう。

良い幼稚園の選び方は、子どもと家庭双方にとって負担の少ない園を選ぶ事です。どうしても教育面を気にしたくなる気持ちも分かりますが、教育面よりも大事なのは子どもが良い子に育つ事と親が子どもの成長を楽しめる事です。

良い幼稚園生活のために、下調べと見学は欠かさず皆さんにあった幼稚園を探してみてください。

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