【徹底解説】幼稚園受験とは?メリット・デメリットを分かりやすく解説!

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子育てを行ううえで、子どもの最初のターニングポイントとして幼稚園受験をお考えの親御さんもいるかと思います。
地方にお住まいの方はあまり馴染みがないかもしれませんが、東京を中心とした首都圏や大阪や京都、神戸など関西の中心地では、”お受験”と称される本格的な受験を行っている付属幼稚園などがあります。

自宅から近い公立幼稚園であれば、受験なしでも必ず入園できるよう国から補償されています。

しかし、子どもの将来を考えて少し遠いけど私立幼稚園へ通わるべきかどうか、子を持つ親として非常に悩しい問題といえるでしょう。私立幼稚園といえば費用も高額な印象がありますが、国が進める幼児無償化の恩恵を受けて私立幼稚園でも認可施設であれば無償の対象となる施設もあります。

本記事では幼稚園受験に迷う親御さんに向けて、幼稚園受験の意味やメリット・デメリットなど分かりやすく解説しますので、ぜひ子育ての参考にしてくださいね。

幼稚園受験の意味・必要性について

幼稚園受験というと、「幼い子どもに対してそこまでする必要はあるのか」と否定的な意見もあるかもしれません。以前、日本テレビの「世界一受けたい授業」で東大生150人にアンケートしたところ、幼稚園受験や小学校受験をした学生が1割に満たなかったと報道され話題になりました。

しかし、幼稚園受験や小学校受験を考えるご家庭がまだまだ少数派でそもそもの母数自体も少ないことを考えると、幼稚園受験や小学校受験をした子は受験していない子よりも東大合格率ははるかに高いかもしれません。ノーベル経済学賞受賞者であるジェームズ・J・ヘックマン氏(シカゴ大学教授)は、子どもの教育費と子どもが将来稼ぎだす年収とを照らし合わせた場合、もっとも投資収益率が高いのは小学校未就学前の幼児教育だという研究結果を発表しています。

このような様々な情報が飛び交う状況で、幼稚園受験のメリット、デメリット両方の観点をはっきり理解しておくことはとても重要かと思います。

 

幼稚園受験のメリット・デメリット

ここでは幼稚園受験のメリット・デメリットについてまとめます。

幼稚園受験のメリット

まずは幼稚園受験によるメリットを順番にみていきましょう。

  • 内部進学ができる
    付属幼稚園に受験して合格すると、小学校、中学校、長ければ高校へとエスカレーターで内部進学できるところも多く、子どもの進路が安心です。一般的に幼稚園受験は小学校受験などより難易度が低いとも言われております。
  • 子どもの負担を減らせる
    内部進学により子どもを将来の受験戦争によるストレスから守ることができ、のびのびとした子育てがしやすくなります。友人関係なども一緒に進級できることが多く、顔なじみのメンバーで環境変化による負担も少なく育むことができます。
  • 質の高い教育が受けられる
    幼稚園受験するような私立幼稚園や名門幼稚園では、学びに最適な環境が整備されていることと、何より優秀な先生が多く在籍しています。学費が高いことからも想像は容易ですが、選び抜かれた先生方による質の高い教育を受けることができます。また、一貫教育となるため、幼少期からぶれない教育方針で育てられるのもメリットといえるでしょう。
  • 保護者どうしの人間関係が安心できる
    幼稚園受験をするようなご家庭は金銭面で余裕がある富裕層が多く、徳や人間力のある、いわば民度の高い方が多く、保護者どうしの人間関係も安心できるのではないかと思います。最近では可処分所得の多い共働き家庭や一人っ子世帯も増えているらしいそうです。
  • 習い事にも通わせやすい
    幼稚園受験するような有名幼稚園では早期教育に対して理解があり、幼児教室などの習い事があれば柔軟に通いやすく対応してくれるところも多いようです。

幼稚園受験のデメリット

次に、デメリットも順番にみていきましょう。

  • 早くからの準備が必要
    幼稚園受験の対策として、子どもがまだ幼いうちから準備を始めなければなりません。
    家庭によっては生まれてすぐの段階で準備を始めることもあるようで、子どもの意思に基づくものではありません。子どもの負担とならない範囲で準備することが大切です。
  • 男の子の場合は選択肢が少ない
    女子学院など女の子には多くの選択肢がありますが、男の子の場合は幼稚園受験の対象となる幼稚園の候補が少なくなります。
  • 教育費が高くなる
    幼稚園受験前の準備、幼稚園受験料、合格した後の保育料と、3つの段階で通常の教育費より高くなります。幼稚園受験するような私立幼稚園や有名幼稚園になると、教育費は一般の幼稚園の数倍になる恐れがあります。保育料やバス代、給食費、教材費、冷暖房費などなど費用が高くなりがちです。そこに幼児教室など習い事をすれば、更に高くなります。
  • 内部進学できるように一定の努力は必要
    受験戦争ほどの大変さはありませんが、内部進学するために一定の努力は当然必要です。
    お子さまの成績や態度などに問題がないように気をつける必要があります。
  • 環境の変化がなく、新鮮味を感じづらい
    幼稚園~小学校~中学校~高校と、環境の変化が少ないことは安心材料であるものの、好奇心旺盛で活発な子どもによっては少し退屈に感じられるかもしれません。内部進学にこだわらず、子どもの様子を見て必要に応じて学校や環境を変える必要は出てくるかもしれません。
  • 引っ越しづらくなる
    内部進学を考えて幼稚園受験で入園した場合、子どもの長期間における勉強が保証されたようなもので、
    親は精神的に引っ越ししづらくなるかと思います。

以上、幼稚園受験のメリット・デメリットでした。幼稚園受験には多くのメリットがありますが逆に気を付けるべき点やデメリットに感じる点もあります。ある子どもにとってはメリットと思えることでも、別の子どもにとってはデメリットに思える項目もあったかもしれません。結局、幼稚園受験をすべきかどうかは、お子さまや家庭に合っているかどうか次第です。

仮に幼稚園受験で入園したとしても、最初からエスカレーター式で内部進学させると決めつけるのではなく、あくまで内部進学は1つの選択肢として捉えておき、子どもの様子を見ながら必要があれば柔軟に対応しようという位がちょうどいいのかもしれません。

幼稚園の選び方、気を付けるべきこと

幼稚園受験をすると決めた場合、どんなことに気を付けたらよいのでしょうか。ここでは幼稚園受験で気を付けるべきポイントについて整理したいと思います。ぜひ見学会などに訪れる際に参考にしてください。

  • 教育方針や教育理念がマッチするか
    幼稚園と親の教育方針が合うか合わないかは何よりも大事です。園によっては自主性を尊重するところもあれば、規律やしつけを厳しく行うとこもあります。幼稚園と家で指導方針が異なれば子どもは困惑しますし、親としてもストレスや悩みの種にもなりますので必ず施設のHPなどで園長の教育方針などをチェックしましょう。
  • 親目線で考えすぎないこと、しかし決して無理はしていけない
    ついつい「家から近い」「お弁当を用意しなくていい」「友達の子どもと同じ園に入れたい」「子どもにはこういう進路を歩ませたい」など親目線で選んでしまいがちですが、子ども視点で考えてあげましょう。しかし、親は決して無理をしてはいけません。親が無理をして親の笑顔がなくなると子どもに当たってしまい本末転倒になってしまいます。親も子どもも笑顔でいられることが理想です。
  • 施設の環境を確認する
    子どもを安心して預けられる施設かどうか、必ず足を運んで確認しましょう。具体的には掃除がきちんと行き届いているか、子ども達が遊べるスペースが十分にあるかなど、チェックしておきましょう。
  • 先生を見る
    園長先生が信頼できる人かどうか見るのはもちろん、一緒に働いている他のスタッフも必ず確認しましょう。子どもに対する言葉づかいや行動をみていると大体分かると思います。スタッフが楽しく働いている施設であれば、園児たちも生き生きと笑顔が多いことでしょう。
  • 他の保護者を確認する
    入園後は同じ幼稚園に通う保護者どうしで交流があるかもしれません。どんな保護者が多いか先生に確認してもいいですし、他の保護者がいたらどんな方々なのか見ておきましょう。
  • 保育時間や自宅からのアクセスを確認する
    開園時間は何時から何時までか。自宅から通いやすいのか、通園バスで送り迎え可能なのかなどなど、親や子ども達の毎日の生活にも関わることですので、確認しておきましょう。幼児教室など習い事に通う予定があるなら、あわせて確認が必要となります。

 

幼稚園の受験内容と対策について

志望する幼稚園が決まったら、幼稚園受験に必要な情報を集めていきましょう。以下、内容と対策について紹介します。

幼稚園の受験内容は主に考査と面接

当日の試験内容は幼稚園によっても異なりますが、一般的に「考査」「面接」の2つで行われることが多いようです。

  • 考査
    園の先生が子ども達を遊ばせたりして、規定通りに行動できるかが観察(テスト)されるようです。観察項目として、「運動」「知能」「絵画」「行動観察」「生活習慣」「親子遊び」などが例として挙げられますが、園ごとに異なるようです。
  • 面接
    いわゆる親子面接が殆どのようです。実際は子どもより親が見られており、家庭での教育方針や親の考えなどを聞き、園の方針と合っているかどうかを確認する場のようです。

幼稚園受験前後の準備と対策

幼稚園受験の8割は親の受験と言われるように、幼稚園受験の対策を行う主体者は子どもというより親としての対策が必要となります。親として良識がある、園の教育方針に共感できているなど親の姿勢が求められます。

受験日前までの対策

  • 志望園をよく知ること
    志望園の公式HPを確認し、説明会や参加できるイベントがあれば積極的に参加しましょう。また、他の志望園以外のことも調べ比較してみることで、何故その園を志望するのかきちんと説明できるようになるかと思います。
  • 願書準備
    受験者数に限りがある人気の園では、願書を手に入れる時点でも早い者勝ち競争となることも多く、前日から泊まり込みで行列に並ぶ親も少なくないようです。コロナ収束後はオンライン化されるかもしれませんが。いずれにせよ事前に情報収集をしっかり行い、志望園の願書は必ず手に入れるようにしましょう。また、願書を記入する際は、誤字脱字等がないように細部に気を付けて作成しましょう。
  • 面接準備
    受験の考査の中には面接もあります。
    親子面接が多いようですが、園によっては親の面接、子どもの面接と異なる場合もありますので確認しておきましょう。
    面接での過去の質問例を予め調べたり想定質問を考え、それに対する親としての回答例を予め整理しておくことが重要です。
  • 家族の考えを確認しておくこと
    例えば幼稚園受験についてお母さんだけが熱くなっていて、お父さんが冷めているようではいけません。入園後は送り迎えや家事などお父さんの協力も必要となることも多く、事前に受験のことでだけでなく、受験に合格して入園した後の生活や役割分担なども擦り合わせしておきましょう。
  • 子どもへの教育
    幼稚園受験では、親が子どもにきちんと躾ができているかも観察されます。親の言うことを聞かなかったり、子どもが泣き叫んだり、わかがままな態度をとるようでは親の教育がきちんと行き届いていないと判断されるかもしれません。また仮に入園できたとしても、子どもの身の回りのことを自分でできないと入園後も本人が苦労することになります。子どもがいくら可愛く思えても、溺愛しすぎず、過保護にならないよう、常日頃から子どもの自立を促した接し方を心掛けましょう。

受験当日の対策・気を付けること

  • 当日の服装
    親と子ども問わず、上品でフォールマルな服装が好まれるでしょう。幼稚園受験に合わせて新しく服を新調されてもいいかと思います。濃紺を基調としたシンプルで落ち着きのある服装が好まれ、身だしなみも清潔感があれば尚良いでしょう。
  • 親の心構え
    考査や面接以外の時間も試験中だと意識し、職員とすれ違った際の挨拶などは当然のこと、待合室での過ごし方にも気を付けましょう。待合室は休憩室ではありません。ついつい気を抜いてスマートフォンをいじることが多くなったり、印象が悪くなる可能性があることは避けましょう。子どものの将来がかかった大事な日であることを心にきざみ、緊張感を持って臨みましょう。

まとめ

以上、ここまで幼稚園受験に関する内容をメリットやデメリットなどを中心に紹介してきました。幼稚園受験にはたくさんのメリットはありますが、一部のご家庭にとってはデメリットが多く感じられたかもしれません。

幼稚園受験が良いか悪いかという全員に共通する解はなく、そのお子さんやご家庭に合っているかどうかがポイントとなってきます。正解のない時代だからこそ、お子さんに合わせて親が納得できる決断することが大事ですね。

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