リビング学習は「子どもの学習効果を高める」と巷で話題になっている家庭での勉強方法です。しかしこのリビング学習に関して下記のような疑問を持っている方も少なくありません。
- そもそもリビング学習って?
- リビング学習って本当に効果的なの?
- リビング学習を導入する際の注意点は?
今回はこのような疑問を抱える皆さんに向けて下記の流れで、リビング学習について解説していきます。
こちらの記事を最後まで読んでいただければ、どんなリビング学習が効果的か分かるようになります。リビング学習に最適な机やいすの選び方も紹介するので、子どもの学習環境を整えたい親御さんは必見です!
リビング学習とは
リビング学習とは、親や兄弟など家族がいる環境で子どもに勉強させる教育手法です。東大生の多くがリビングや親の目が届く所で勉強していたことで話題になっています。
リビング学習のメリット
リビング学習のメリットとして下記の3つを紹介します。
- 生活音がする中で勉強する必要があるため集中力が鍛えられる
- 家族の気配があるため他の遊びをせず適度な緊張感を持って勉強に取り組める
- 子どもは勉強で分からないことがあればすぐに親に質問することができる
リビング学習には、子どもに勉強のやる気を起こさせる効果があると考えられています。
リビング学習のデメリット
一方でリビング学習にはデメリットもあります。
- 子どもが勉強している間他の家族は邪魔しないように気を使う
- リビングに子どもの勉強用具でスペースを取られる
- 子どもの勉強に口出ししやすい環境になってしまう
特に3つめのデメリットは子どもにとっては大きなプレッシャーになります。親にとしては良かれと思って「勉強しなさい」と言っていても、子どもにとっては勉強のやる気をなくす原因になってしまいます。
このようにリビング学習にはメリットとデメリットがあります。効果的なリビング学習にするためには、親御さんの協力が不可欠になります。肝心なことはお子さんが気持ちよく勉強することなので、広い心でお子さんを見守るようにしましょう。
リビング学習で本当に学力が向上するの?
リビング学習には、子どもの「勉強のやる気スイッチを入れる」というメリットがありますが、実は学校の成績を上げるための勉強方法ということではありません。
ここではその理由を見ていきましょう。
リビング学習は科学的な証明はされていない
リビング学習で頭が良くなると勘違いされている方が多いようですが、実は科学的根拠はありません。
あるアンケート調査では、東大生の8割がリビング学習をしていたというデータありますが、リビング学習をすることで成績が上がりやすくなるという因果関係は証明されていません。
極端な例だと、勉強好きな子どもが部屋移動の間も惜しんでリビング学習をしていたり、自分に見合った効率的な勉強方法を掴んでいるような子ども達が東大に合格している場合が多いのです。
つまりリビング学習を始めたからといって、必ずしもすべての子どもが東大に受かるほど優秀になるとは限らないのです。
一番重要なのは集中できる環境
リビング学習を考える時に一番重要なのは、リビングで勉強させることではなく子どもが勉強に集中しやすい環境を整えることです。
自分の部屋であっても子どもが勉強に集中していれば、全く問題ありません。
一度もリビングで勉強させたことがない親御さんは、ぜひお子さんにリビング学習をさせてみてください。そこでお子さんの集中できる環境のヒントが見えてくるかもしれません。
例えば、子どもが勉強中に暑そうにして集中できていなかったら冷房を低めに設定したり、雑音を気にしていたらリラックスできる音楽をかけたり、子どもの集中力を削ぐ原因が分かれば様々な創意工夫ができます。
そういった意味では、リビング学習は子どもの集中環境を整える効果的な勉強方法と言えるでしょう。
リビング学習を導入したい人への注意点
リビング学習をする上で絶対に気を付けなければならないのは下記の3点です。
- リビング周りの環境を整える
- 子どもの見張りとしてのリビング学習は逆効果
- 子どもをサポートする
それぞれのポイントについて、ここから具体的に解説します。
リビング周りの環境を整える
リビング学習での一番の学びは、子どものベストな勉強環境を知ることです。
特に勉強場所と勉強道具の収納場所は子どもの勉強のしやすさに関わってきます。
勉強机の大きさとイスの高さには注意
ほとんどの勉強時間を過ごすことになる、机の大きさとイスの高さは勉強のしやすさに直結します。
勉強ではノートやテキストを広げるため広いスペースが必要です。一方で子どもの腕の長さは大人よりも短いため、広すぎても使いづらくなってしまいます。
小学生の腕の長さは平均して48cmなので、具体的には奥行は45~60cm程度にしておくのがオススメです。
高さは机ではなく、イスで調節したほうが安あがりです。子どもの成長に合わせて高さが変えられる、可変式のイスを使用すると購入後に失敗する可能性がなくなります。
高さは勉強効率だけでなく、姿勢にも影響してくるのでイスの高さが合ってない子どもには出来るだけ新しいイスに交換してあげましょう。
もしダイニングテーブルを勉強机として使いたいなら昇降式テーブルを使うと便利です。
収納場所を工夫する
勉強道具の収納場所は、インテリアを重視するご家庭では悩みどころです。
教材を取り出しやすい所にしまおうとすると余計な棚を増やしたり、むき出しにして置く必要がでてきてリビングのインテリアを邪魔することになってしいます。
おすすめは簡単に持ち運びできるカゴなどに入れて空いているスペースに置いておく方法です。
この方法なら棚を増やす必要がありません。また普段は勉強机の近くに置いておき、来客時や子どもがいない時間帯にはしまっておくこともできます。
勉強道具が多い場合は、移動させやすいキャスター付きの小さい棚やワゴンがオススメです。
備品を用意する
子どもの快適な勉強に必要な物は机やイスと収納スペースだけではありません。
他にも下記のようなものを用意しておくと、勉強がはかどります。
- デスクライト / 手元の教材がみやすくなる
- 扇風機 / 夏の暑さの中でも集中できる
- ゴミ箱 / 削りカスなどをすぐに捨てられる
- カレンダー / やることを視覚化することで目標を実現できる
- 時計 / 時間を設定することで集中力が高まる
このように一見勉強に関係がないものでも、勉強スペースの近くにあった方がいいものは積極的に設置すると良いでしょう。
子どもの見張りとしてのリビング学習は逆効果
リビング学習の失敗例にありがちなのが、親が子どもを見張る状態になってしまうことです。
例えば子どもの休憩中に「集中しなさい」などと叱ってしまうと、子どもは見張られていると感じ、安心して勉強できません。
子どもが分からない時に教えてあげられるのがリビング学習のメリットです。子どもには見守るつもりで、口出ししすぎないようにしましょう。
子どものサポートをしやすいのがメリット
リビング学習のメリットは、子どもの学力が上がることではなく親のサポートがしやすくなることです。
リビング学習を実践してもお子さんの学力が上がらなかったとしても、責めないようにしましょう。そのときは親であるご自身のサポート体制を見直す必要があります。
まずは先述したようなプレッシャーを与えるようなことをしていないか、リビングで勉強することで逆に集中力をそいでないかを見直しましょう。
リビング学習では子どもの勉強している姿を実際に見られます。子どもにとってベストな勉強環境を追求するための機会としてリビング学習を活用してください。
リビング学習のレイアウト例
実際にリビング学習をしている家庭では、どのようなレイアウトを取り入れているのでしょうか。いくつか導入事例を紹介します。
本棚や遊び場を置いた「一体感」に和む
勉強スペースと天井まで取った本棚と、幼い子どもが遊べる場所を設置しています。
食器棚やインテリアを置くスペースも子育て用のスペースとして有効活用している愛情あふれるレイアウトです。
造り付けカウンターですくすく育つ
造り付けのカウンターは、アイロン台や作業台、収納補助に利用することが多いですが、リビング学習での勉強スペースにもぴったり。
家族の気配を感じつつ、壁に向かって生まれる自分だけの空間で、お絵かきや作文、ごっこ遊びなど何でもはかどりそうですね。
眺めのいいリラクシーな勉強スペース
大きな掃き出し窓の横に、学習机を2台設置。吹き抜けからも自然光が射しているため明るく、室内装飾のグリーンも映えてリラクシーな環境になっています。
子どもが適度に気分転換できそうな雰囲気がいいですね。キッチン⇒ダイニング⇒リビング⇒勉強スペースという順番でのレイアウトなら、家事の動線の邪魔にもなりにくいでしょう。
まとめ:勉強のサポートをリビング学習の目的にしよう
リビング学習は、子どもが集中して勉強できるようにするための環境作りです。
大事なのはどのように、子どもの勉強をサポートできるかという視点です。一方的に学力向上を期待してリビング学習を実践しても効果を発揮できずに終わってしまいます。
これからリビング学習をやってみたいという方のためにもう一度注意点を確認します。
あくまでも子どもが自ら勉強に集中することが重要という視点を忘れずに、しっかりサポート体制を整えましょう。
ぜひ、こちらの記事を参考にしていただき、お子様の自主的な学習が進むよう、リビングでの準備や関わり方を工夫してください。