もうイライラしない!ピアジェの理論を学んで子どもの成長状況を知ろう

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子どもが捉える世界は大人とは違い、時に独特と感じられます。
そんな子どもの世界を説明する理論がピアジェの認知発達理論です。

心理学の研究テーマとしてだけでなく、幼児教育にも影響を与えている理論なので、子どもの目線に立って子育てしたい皆さんは知っておいた方がいい理論です。

  • そもそもピアジェ理論って何?
  • 子どもの認知発達との関係は?
  • ピアジェ理論を柱にした教育法とは?

今回は上記のような疑問を皆さんの為に、ピアジェ理論について徹底的に解説します。

こちらの記事を最後まで読んでいただけば、子どもがどう世界を認識しているか分かるようになります。あなたの子育てもより子どもに寄り添ったものになること間違いなしです!

ピアジェ理論を知ろう

ピアジェ理論は、スイスの発達心理学者であるジャン・ピアジェ(1896~1980)によって作られました。精神分析や心理学を大学で学んでいたピアジェが「子どもは大人とは違う考え方をする」ことに興味を持ち、子どもが世界をどう認識するか研究していった結果生まれた理論がピアジェの発達段階理論です。

まずは、どんな理論なのか詳しく見ていきましょう。

ピアジェ理論は認知機能の発達理論

ピアジェ理論は子どもの認知機能の発達を説明した理論。
認知機能とは、自分以外の物や事を理解するための機能や能力のことを指します。

例えば「湯気が立っている黒い液体」を「コーヒー」と推測できるのは、認知機能が働いて「知識」と「目の前にある物」を結び付けているからです。認知機能が発達すると、見えないもの(時間)や抽象的な概念(数字や理論)でも頭の中でイメージし、理解できるようになります。

ピアジェ理論では「子供は認知機能が発達することで、大人と同じように世界を見られるようになる」と説明しています。

ピアジェ理論を知ることの意義

ピアジェ理論は子どもの目線に立った子育てをするのに欠かせない知識です。

子どもの認識方法を分析しているピアジェ理論は、今あなたのお子さんがどんなことまで理解できるのかやどこまで教えられるかを理解する助けになります。

子どもが完全に他者の視点に立てるようになるのは7歳からと考えられています。

例えば、3歳の子どもが友達のおもちゃを取ったとしましょう。ここで他の子どもの立場になって考えるように説教をしても子どもはなぜ怒られているか全く分かりません。

そこで大切なのはピアジェの発達理論を知ること。今自分の子どもがどんな段階にいるのかを理解することで「失敗に寛容になる」、「子どもが分かるように説明する」など、子どもの目線に寄り添って教えることができるのです。

ピアジェ理論の軸:4つの発達段階

ピアジェ理論では子どもの認知機能の発達を4段階で説明しています。それぞれの段階でどんなことが出来るのか見ていきましょう。

感覚運動期(0歳~2歳)

感覚運動期は五感をフル活用して自分と自分以外の物を区別する」「身の回りの物の大まかな違いや機能を把握するといった認知機能を発達させていきます。

特に生後1か月頃までは自分と他者の違いがほとんど分かりません。そのため色々なものにとにかく触れたり、食べたりしながら五感を最大限生かします。例えば、赤ちゃんの手に指で触れると赤ちゃんがギュッと指を握ってくるのもそのためです。この時期は五感を生かせるような親からの声掛けやスキンシップが重要です。

感覚運動期に発達する認知能力には、以下の3つがあります。

  1. 表象機能……表象機能とは、目の前にないものを思い浮かべる能力です。この表象機能を身に着けると赤ちゃんは自分に見えていないものに対しても行動を起こせるようになります。表象機能を持っているかどうかを判別したい場合、目の前のおもちゃを机の下に隠してみましょう。表象機能を身に着けた赤ちゃんは机の下を覗き、未発達の赤ちゃんはなくなったと思い驚きます。
  2. 役割認識……「高い所から物を手放すと落ちる」や「丸い物は転がる」などの基本的な原則を理解し、簡単な未来予測ができるようになります。自分の体や身近な物の存在を確かめるように、「指をしゃぶる」「足をつかむ」「ガラガラを何度も振る」「同じ物を掴んでは落とすを繰り返す」などの動作をするのが特徴です。
  3. シンボル機能……シンボル機能は似たような物を1つにまとめるための機能です。私たちは四足歩行でワンワン吠える生き物を犬だと認識できます。これは「四足」「ワンワン」「毛深い」などの「犬のシンボル」を捉えているからです。

前操作期(2歳~7歳)

前操作期は2歳~7、8歳までで、認識できる物事の範囲を広げていきます。
この時期の特徴は「自己中心性」と「中心化」です。

「自己中心性」とは自分の視点から見た物事を絶対正しいと考えることです。自分視点から見えるものを探究することで、新しい物事(シンボル)を理解していきます。身勝手な行動に思えることもありますが、子供の成長過程であり自己中心的だとネガティブに捉えないようにしましょう。

また中心化とは「一番目立つ部分以外の物事を無視」することです。
下のイラストをご覧ください。

おはじきの個数は同じにも関わらず、おはじきの列の長さに気を取られてしまい正しく個数を認識できていません。このように自分の視点から見た直感的な世界を通して、感覚運動期よりも細かいものの違いを知っていく期間が前操作期です。

前操作期の子どもは客観的に物事を捉えることはできませんが、想像力が発達し、動かない物にも人のように接していきます。人形やおもちゃに話しかけたり、丁寧に扱ったりするようになるのです。
このようにあらゆる物を擬人化することをアニミズムといいます。

具体的操作期(7歳~11歳)

具体的操作期は7歳~11歳頃。この段階で目の前の物やイメージできる物に対して、大人と同程度の推論や思考ができるようになります。

この期間は論理的思考力が成長し「保存性の習得」と「脱自己中心性」という二つの特徴が現れ始めます。

保存性とは物の本質的な部分は変わらないことを指します。この保存性を習得することにより、前述のイラストで紹介したおはじきのような問題にも楽々回答出来るようになります。

二つ目の特徴は自己中心的な思考が減っていくという特徴です。他者の考えや想いに共感できるようになるので、コミュニケーション能力が高まり会話の内容にも幅が出てきます。

形式的操作期(11歳以降)

形式的操作期は11、12歳頃以降から始まります。認知機能発達の最終段階で、大人も形式的操作期に属していると言えるでしょう。

今までと決定的に違うのが「抽象的思考」が出来ることです。未体験のことや、ありえないものでも、仮説を立てることで論理的に考えられるようになります。

この抽象的思考の発達によって、目に見えない重力などの科学的知識やアイデンティティなどの概念も理解できるようになるのです。

ピアジェによって解明された子どもの道徳観

ピアジェは認知機能の発達に応じて、子どもの道徳観も下記の2段階で発達すると考えています。

  • 他律的道徳観(5~9歳)
  • 自律的道徳観(9歳以降)

それぞれの道徳観について具体的に見ていきましょう。

他律的道徳観

他律的道徳観は5~9歳の間の道徳観で、子どもは「他者が設けたルール」を守ることが道徳的な行為だと考えています。

そのため悪いことをしてはいけない理由を子どもに尋ねると、「お母さんに怒られるから」「先生に言われたから」「学校で決められているから」といった答えが返ってきます。

他者視点が未発達な子どもにとってルールを守ることは、他者のことを考えることではなく、両親や先生から怒られないようにするためなので他律的になってしまうのです。

自律的道徳観

9~10歳頃になり論理的思考や脱自己中心性が進むことにより、子どもの道徳観は自律的道徳観に移行していきます。

自律的道徳観とは「他者に強制されて従うものではなく、自分で定めたルールを基準に良し悪しを判断しようとする」という道徳観です。他律的道徳観と違い、子どもは行動の結果よりも意図で物事の善悪をジャッジするようになります。

また、良し悪しの判断がつけられないことも認知するため、他者の目線や意図、さまざまな状況を総合的に考えて適切な判断をしようとするでしょう。

ピアジェ理論を応用したピアジェ教育とは?

実はこの記事で紹介したピアジェ理論は幼児教育の現場でも活用されています。ここでは、ピアジェ理論が幼児教育に与えている影響を見ていきましょう。

ピアジェ理論=構成主義

ピアジェ理論は「構成主義」という形で、教育に導入されています。

構成主義とは子どもは目の前の物を知り、関係性を考察することで、新しい知識や法則を見つけ成長する。という考え方で、教えるより、体験させることを重視した教育を行ないます。

この傾向は幼児教育にとどまらず、最近では小中学校でも探究学習という形で導入されています。

子ども自身の「何を」「どのように」「何のために」学ぶのかという主体性を促進することで、発達段階に合わせた適切な教育を施すのがピアジェ理論を応用した教育方法です。

総合的な学習の時間でどんな教育が実施されているか知りたい方は下記の記事をご覧ください。

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子ども同士の相互作用を重視

構成主義では子ども同士の議論も重要視されています。子どもは周囲の友人と意見を交換することで、新しい考え方に戸惑ったり興味を持ったりしながら、考えを深化させていきます

先生が子どもに教えるよりも、子ども達の対話による相互作用を重視し、自発的な知能の発達を促すのがピアジェ理論を活かした教育の特徴と言えるでしょう。

まとめ:ピアジェ理論で子どもの目線に立った教育を

ピアジェ理論は今のお子さんの認知機能の発達具合を知り、同じ目線に立つために必須の知識と言えます。

もし4,5歳のお子さんが平気で他の子どものおもちゃを奪っていたとしてもそれは異常ではなく、発達段階がまだ人を気遣うレベルに達していないだけです。

このようにピアジェ理論を知っているだけで、子どもの目線に立った躾や教育をできるようになります。最後にもう一度ピアジェ理論の認知機能の発達を確認しておきましょう。

発達段階の特徴を知り、お子さんがどの段階にいるのかしっかりと理解したうえで接してあげましょう。

本記事で紹介したピアジェ理論を活用して、学校教育の補助や家庭教育での支援にお役立てください。

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