【ニキーチン教育】積み木で創造力を育む!家でもできる教育法

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ニキーチン教育は積み木を使ったユニークな学習法が話題の教育方法。子どもの創造力と知的能力の発達に効果的だとして注目が集まっています。

  • ニキーチン教育の教育理念を知りたい!
  • ニキーチン教育の特徴や方法は?
  • ニキーチン教育は自宅でもできる?

という方のために、ニキーチン教育の具体的な実践法も紹介していますので、ぜひ、最後までお読みくださいね。

この記事ではニキーチン教育について下記の流れで解説していきます。

本記事を最後まで読んでいただければ、すぐにでもお子様の知育に「活用できる」とワクワクするはずですよ!

ニキーチン教育とは?

ユニークな積み木教育で知られるニキーチン教育は、ロシアのニキーチン夫妻が発案した教育法です。
もともとニキーチン夫妻が7人の子どもの「知育あそび」として始めたのがきっかけでしたが、子ども達が医者やエンジニアなどの高度な専門職に就くなどの華々しい成長を遂げたことで注目されるようになりました。

1985年に『ニキーチンの知育あそび』という育児本が出版されたこともあり、日本でも人気が高まっています。

ニキーチン教育の理念

ニキーチン教育の理念は「子どもの創造力を育むこと」です。
創造力とは「自分で課題や問題を見つけ出し、ゴールに向かって問題を解決していく力」をさします。

例えば、高い所にあるものに手が届かない時、子どもは少し考えた後に自ら台を持ってくることで解決します。このような元々備わっている「創造力」を最大限育てるために作られた教育方法がニキーチン教育です。

子どもの創造力を育むために必要な能力として、ニキーチン教育が重視しているのは「比較力」「分析力」「洞察力」「判断力」「実行力」の5つの力です。これら能力を総合的に育てるために考案されたのが、後にニキーチン教育の代名詞と言われる「ニキーチンの積み木」でした。

ニキーチン教育が今注目される理由

今、ニキーチン教育が注目されている理由は、この先求められる「創造力」を育む教育だからです。

近い将来、AIやテクノロジーの発達によって今ある仕事の約半分がなくなると考えられています。そして無くならない仕事が共通して必要としている能力が「創造力」だと言われているのです。AIやロボットにはできない、「新しいもの」を生み出す能力を育てる教育としてニキーチン教育は期待の眼差しを向けられています。

ニキーチン教育が向いている家庭

ニキーチン教育は教育の全てを家庭で行う教育方法なので、常に養育者の方が家にいるような家庭でなければ実践できません。そのため、主婦や主夫の制度を取っている家庭や、三世代世帯の家庭に向く教育だと言えるでしょう。

ニキーチン教育の特徴

ニキーチン教育は、子どもが7歳になるまでの「創造力」の発達を促します。子どもの創造力を養うことを理念にしたユニークな教育法の特徴を詳しく見ていきましょう。

幼稚園に通わせない

ニキーチン教育では子ども達を幼稚園には通わせません。幼稚園に通わせることで、子どもへの教育が強制され、創造力が養われなくなると考えているからです。

実際にニキーチン夫妻も、自宅だけで子ども達の幼児教育を実施し、子ども達の能力を育て上げています。
当時、夫妻の7人の子ども達が飛び級するなど成績優秀で身体能力も高い子に育ったため、ニキーチン教育への評価が急上昇しました。子どもをニキーチン流に家庭内で育てることが、子どもの能力や可能性を伸ばすと証明するエピソードです。

危険を体験させる

ニキーチン教育では、子どもを過保護にせずあえて危険な体験をさせます。
ニキーチン夫妻は、子どもに危険な体験をさせることで、「どうやって自分の身を危険な状況から守るか」ということを学ばせました。もし子どもに危険を体験させたいのであれば「火」「刃物」「針」など、つい子どもが触らないように遠ざけたいものも、普段の生活のまま置いておきましょう。

子どもは自分の身の回りの危険物に対して正しい認識をすると、自分なりに扱い方や避け方を学びます。危険な体験によって子どもたちに「対応能力」「自己保身力」「問題解決力」が備わっていくのです。子どもが危険体験を通して学ぶ、「怖い」「痛い」「危ない」という貴重な体験を奪わないようにしましょう。

信じる力を養う

ニキーチン教育では、子どもの「信じる力」を養います。
子ども達の信じる力を養う第一歩は親が子どもを信じることです。子どもが困難に当たってもすぐに助けに入らず子ども自身で解決させましょう。

子どもは自分の力だけで困難を乗り越えることで、自分に自信を持てるようになります。親から成長の邪魔になる過保護な手助けや強制的な学習を与えるのではなく、ニキーチン教育では子どもを見守りってください。
自分たちの方針や子どもの成育を信じることに徹するのが、ニキーチン教育の中での親の役割です。

難しい事をさせる

子どもにとっては難しい作業も子どもが自分でやりたいと言えば積極的にやらせます。ニキーチン教育では、子どもを未熟な存在として扱いません。

例えば、自宅の工作室でレンガや木材、針金などの資材を使って自由に創作させます。このように「おもちゃ」や「知育玩具」など、対象年齢に合わせた教材を使わず、大人が使うような素材で難しい事をさせりるのです。

「子どもたちの創造力を育む」ニキーチン教育において、難しい課題は子ども達の「発想力」や「問題解決力」を養う絶好の機会です。難易度の高い課題を子どもに発見してもらうために、ハイキングなどの屋外での活動をする点もニキーチン教育の一つの特徴となっています。

ニキーチン教育を形作る5つの条件

ニキーチン教育では、7歳までに子どもの創造力を最大限に伸ばすために必要な条件を満たす5つの条件があります。

早くから始める

ニキーチン教育は導入したいと思ったら出来るだけ早く始める事をおすすめします。ニキーチン教育では7歳までに子どもの能力の90%は成熟すると考えられています。そのため7歳以降向けにはなっていませんし、ギリギリに始めても意味がありません。

ニキーチン夫妻も、生まれたばかりの赤ちゃんにも「教育」を意識した子育てを重視しました。
全てをニキーチン教育に沿った教育に変えるのが難しいかもしれません。それでも出来るだけ、身体能力を高めるために身体を動かさせたり、自分の身を守る術を身につけさせるために危険な目に遭わせたりなどして幼い頃から子どもの発育を刺激しましょう。

子どもが自ら挑戦する

ニキーチン教育での親の役割は、子どもが自ら関心のあることに挑戦できるような環境を整えることです。具体的には、本などの図書を備える以外に「鉄棒」「はしご」「吊り輪」を設置したり、工作室を設けて「木材」「石材」「鋼材」「積み木」などを手配などの協力をしましょう。

子ども達が家の中にいても、常に何かに関心が向くような工夫をし、子どもたちに強制することなく自由に過ごせる状態がベストな状態です。また例え共働きでも、親は子ども達と一緒に活動する時間を惜しまず積極的に子どもの関心ごとに寄り添うようにしてください。好奇心のくすぐられる環境の中で子どもたちの探究心や洞察力はみるみる養われ、結果的に子どもたちは自主性や判断力、忍耐力などを身につけていくはずです。

常に限界まで能力を出し切る

ニキーチン教育では、子どもに「妥協」を教えません。
常に限界まで能力を出し切ることを経験させ、子どもに自信をつけさせたり、子どもの成功体験や成功までのプロセスを味わわせたり、失敗したとしても次への課題として悔しさを覚えさせます。

赤ちゃんは自分の能力を出し切ることで限界を突破し、新しい知恵や力の使い方を獲得していきます。子どもが「もうダメだ」と諦めていても、親が手助けをしてはいけません。子どもに自分の限界まで挑戦させ、子どもが「自分で問題を解決する」という創造力の醸成に必要な重要スキルを養いましょう。

完全な自由を与える

子どもに完全な自由を与えることが、子どもの創造力の形成に直結します。
ニキーチン教育が子どもを幼稚園に通わせないのは、子どもが規定のカリキュラムなどで強制されるからです。そのため、ニキーチン教育を実践する時には、子どもに思いのまま過ごさせるように注意しましょう。

もちろん、親が何も手助けしないわけではありません。子どもの感情や気分、興味、関心によって行われる活動に対し、子どもの求めがあれば強制や押し付けでない範囲でサポートすることもあります。

親は教えない

子どもの自由な発想や無限の可能性を伸ばすため、ニキーチン教育では子どもに「答え」「方法」「早道」「対策」などを教えません。子どもに求められて手助けするといっても、子どもから「思考すること」「解決すること」「決定すること」を奪ってはならないからです。

あくまでも親は子どもの取り組みを見守り、必要に応じて「ヒント」や「キッカケ」を与えるのが与えられた役割になります。子どもの創造力を高めるためには、とにかく「自分で」にこだわらせる必要があるのです。

子どもの能力を育てる積み木遊び

ニキーチン教育では、子どもを自由な環境で思いのままに体験を積ませます。

そのニキーチン教育を簡単に家で実現する方法として人気なのが、「積み木遊び」です。ここでは、ニキーチン流の積み木学習のやり方や代表的な積み木の種類を紹介しましょう。

ニキーチン流積み木学習のやり方

ニキーチン流の積み木は、1歳半から2歳頃から始められます。
子どもが興味を持って積み木に取り組むための手順を下記に紹介します。

  1. 見本カードを見せる。
  2. 子どもに「○○ちゃん、できるかな?」と語りかけ好奇心をくすぐる。
  3. 子どもの性格に応じて、自分から「やりたい!」と思わせる工夫をする。(負けん気が強い子なら、親が分からないふりをする)
  4. 手を貸さず自由に挑戦させる。
  5. 子どもが投げ出したら「またやろうね」と次のチャンスを与える。
  6. 子どもに「やってみる?」と聞いてみる。
  7. 子どもがクリアできたら伝わるように褒める。

ポイント

  • すぐにヒントを出さず自分で限界を突破させましょう。
  • どうして出来たのか成功体験を話させてあげましょう。
  • 子どもの自発性に任せて「やりたい」ときに取り組ませましょう。

模様つくり

「模様づくりパターンカード」という完成図を見本にして、専用の積み木を使って学びます。積み木を並べた時の平面の模様が、完成図の通りになるようチャレンジする遊びです。1歳頃から積み木学習を始める場合、最初に取り組みやすい知育玩具になっています。

型合わせ

平面に切り抜かれて穴になった図形に、同じ形をした積み木を入れていく遊びです。元々はモンテッソーリが作った知育玩具ですが、ニキーチン教育でも推奨されています。

子ども達は2Dの穴と3Dの積み木を比べながら遊ぶ事で、図形感覚を磨ける教材です。

ユニキューブ

面によって色の塗り方が違うパターンの積み木です。

色の塗り方の違いを使って、子ども達は普通の積み木よりも発想の幅を広げられます。片面だけの造形にこだわらず、全面の組み合わせまで追求することで、三次元空間を把握する力が養われるでしょう。

四角つくり

2歳から3歳にかけて取り組めるようになる、パズルのような知育玩具となっています。様々な形のパーツを組み合わせて、立方体やお題に沿った形に作る遊びです。

子どもの色の感覚と形の関係性を見出す力が養われます。小学生になった時に、算数の図形問題が得意になる子どもも多数見受けられます。

レンガ積み

シンプルでありながら創意工夫を養う積み木です。

レンガに見立てた1:2:4比率の木製アイテムを使い、大工さんになった気分で全体像を捉えながら複雑な形にもチャレンジします。

いろいろな創作をしているうちに、三辺のもつ関係性を子どもが理解するようになり、観察力や検証力などが育まれていくこと間違いありません。

創造力豊かで自由な子どもを育てるニキーチン教育

ここまで、ニキーチン教育の特徴や具体的な実践法を紹介してきました。

子どもを幼稚園に通わさず、自宅などで自由に育てるのがニキーチン教育最大の特徴です。最後に子どもの創造力を養うことを理念としているニキーチン教育を形作るの「5つの条件」を再度確認しておきましょう。

ニキーチン教育は、子どもを子どもとして扱わずあえて危険な体験をさせたり、大人が使うもので創作させたり、独特な教育方法です。

ニキーチン教育は、専用の知育玩具で家でも実践できます。ぜひ、7歳までの幼少期の知的教育に活用してください。

「5つの条件」にならって、子どもに自由に挑戦させ、限界を突破させることがカギです!

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