元気と全力投球で合格確実?!小学校受験の「運動考査」はここを見ている!専門家に聞いてみた

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小学校受験の種目の1つ「運動考査」。お受験を控えた親御さんの中には、「うちの子運動が苦手で…」と悩んでいる方も多いようです。

そこで今回は、運動考査に不安を感じる親御さんのために、どうしたらお受験までに運動ができるようになるのか?試験ではどこを見られているのか?など、体育指導の専門家であるスポーツひろば代表の西薗 一也氏に直撃インタビューで聞いてきました。

取材協力者プロフィール
スポーツひろば代表
西薗 一也 / Kazuya Nishizono
■公式HP:http://www.sports-hiroba.com/
東京都出身。一般社団法人子ども運動指導技能協会理事。株式会社ボディアシスト取締役。スポーツひろば代表。日本体育大学卒業後、一般企業を経て家庭教師型体育指導のスポーツひろばを設立。運動が苦手な子どもを対象にした体育の家庭教師の事業をはじめとして、子ども専用の運動教室の開設や発達障害児向けの運動プログラムの開発など、新たな体育指導法の普及に幅広く取り組む。著書に『発達障害の子どものための体育の苦手を解決する本』(草思社)や『うんどうの絵本』『かけっこの絵本』『すいえいの絵本』『ボールなげの絵本』(あかね書房)がある。

運動考査では正確性よりも元気と全力投球が評価される

――小学校受験の「運動科目」はどう対策したらいいのでしょうか?

小学校によっても評価の仕方が異なるので難しいところですが、私が運動を教えるうえで一番重視しているのは、思いきり全力で動くこと。正確な動きを覚えることも大事ですが、子どもが小さな体を使っていかに全力で取り組めるかをとても大切にします。

一般的なお受験教室では、正確に動くことを最重視して教えます。「絶対にミスをしない。教わったとおり正確に動く」と正確性を意識し過ぎると、運動なのに緊張してしまったり、マニュアル化された動きになってしまいます。

――マニュアル通りの動きでは評価されにくいのでしょうか?

わかりやすく芸能界のオーディションで例えると、演技でもテンプレート通りの表現方法では魅力に欠けてしまいます。何か持ってるなと感じさせる役者が選ばれるのです。お受験も同じで、形は多少崩れてても良いから、人一倍楽しんで全力で取り組んでいる子のほうが実は選ばれたりします。

運動テストの代表例だと「スキップ」。スキップはトトン、トトンとリズミカルにスキップができていることが基本です。加えて豪快な腕の振りや、大きなスキップをしてみせたら、表現力の豊かさに審査する側も目を見張るでしょう

お受験教室では、決まったマニュアル通りの動きができる同じタイプの子を育てようとする傾向があります。このような教育方法が過去の統計上、受験合格率が高いので納得はできるのですが・・・。個性は育みづらいですね。ですので私は正確な動きを教えつつも、自分の体を大きく使って全力で表現するということを大切にしています。

実際、大手お受験教室で「運動が苦手だから合格が厳しい」と言われて当教室に入会した子でも、多く受験に合格しています。マニュアル通りの動きが出来なくても、元気よく大きな動きで全力に取り組んだことが評価されていることは間違いありません。

――運動考査では、全力で取り組んでいるかを重視していると考えていいですか?

先生方は、単に動きの正確性だけを見ているわけではないということです。

確かに運動考査では、正確性や集団的規律は1つの基準としてあります。しかし、「この子、心から運動を楽しんでいるな」ということが伝われば、動きにミスがあっただけでは不合格になることはありません。「運動が嫌そうだな」「言われたことは出来るけど、プラスアルファの要素は持っていないな」などと思われたときこそ不合格になりかねないのです。

マニュアル通り動ける子と、元気一杯に全力で取り組む子がいたら、やはり輝いて見えるのは後者です。何か光るものを持っている子だという評価を受けるでしょう。いかに印象付けられるかも大事なお受験ポイントだと考えています。

試験でミスをしても最後まで全力でやり抜く人間性が好評価に

――スポーツひろばとお受験教室との運動考査対策の違いはどこでしょうか?

お受験教室の凄いところは、なんといっても受験に対する情報量とノウハウ。それぞれの小学校の校風や、子どもの性格に合った学校の紹介や相談まで、とても多くの情報から分析してサポートしてくれます。お受験というのは情報戦略みたいなところがありますので。

代わって、当教室は体育を専門的に教える教室ですから、お受験だけに特化しているわけではありません。

ですが親御さんからのご要望があれば、お受験にも対応できるように運動能力を教えています。正しい動きを教えつつ、子どもがミスをしてしまったときのリカバリー方法まで教えていくようにしています。

例えば競争途中で転んでしまった!ただ悔しくて泣いて終わるのか、勝てなくても諦めずに最後まで全力でやり抜くのか。この場合、ダメだと思った瞬間即座に投げだす子よりも、最後までやり抜くと決めて全力を出しきる子の方が、とても見込みがありますよね。1位だったからお受験に合格させるのではなく、子どもの人間性を見ているはずです。運動が苦手だけど、一生懸命に楽しくニコニコと取り組んでいたという子どもの個性もアピールポイントになるのです。

生真面目に「緊張感を持って取り組みなさい」という発想ではなく、「ニコニコしててもいいじゃない。誰よりも楽しそうに取り組んでいますよ。」という発想でそれぞれの子どもの個性を尊重しながら接するようにしています。だってどんな個性が光る子が一番魅力的でしょう?(笑)

――お受験の「運動」対策で、親ができることはありますか?

お受験に向けて早く運動ができるようにしてください!と焦って入会される親御さんがいます。

親御さんは熱心に教えてきただけど、子どもは一向にできるようにならない。焦ってしまう気持ちはよく分かります。だけど、別に今できなくてもいいのです。入試1ヶ月前にできるようになっていれば十分です。

だから当教室では子ども達には、「大丈夫。今できていなくてもいいよ。やり方をちゃんと教えてあげるからね。」としっかりと道筋を示してあげ、焦る必要はないことを伝えます。いきなり見本みせて「さあ、やってみなさい。」といっても、分かるはずないですから。

1つ1つ順を追って今日はここまでできたから、次回はここまで頑張ろう。これを繋げていけば最終的にできるようになるものです。すぐに出来なくたって、細かく分解して、道筋を明確にしてあげることができれば、子どもは絶対伸びます。1年もあれば子どもは大人が想像する以上に成長します。

運動以外の科目も同じですが、焦って無理やり叩き込むのではなく、順立てて1つ1つ理解させていくことが子どもの伸びしろを伸ばす大事なポイントだと思います。

お受験の運動考査に向けて大事なポイントはここ!

  • 思いきりよく全力で取り組み、失敗しても諦めない精神を磨いておこう!
  • マニュアル通りの動きは面白みに欠ける!子どもの個性はそのまま活かして!
  • 焦りは禁物!1つ1つの工程を理解させてお受験前までに完成させれば良し!

わが子を信じて焦らずにじっと、成長を見守ることも親の立派な役目です。

ぜひこのポイントもおさえ、子どものお受験戦争を乗りきっていただければと思います。

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