60分のレッスンで指導時間たったの3分?失敗しない子ども水泳教室選び!専門家に聞いてみた

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子どもの習い事の定番スイミング。「小学校のプール授業が始まる前に泳げるようにしておかなくちゃ!」とお考えの親御さんも多いのではないでしょうか。だけど、はじめての水泳教室選びだと、どんな教室を選んだらいいのか見当もつかないですよね。
そこで今回、結果が出せる水泳教室で人気の高いスポーツひろばの代表であり、体育指導の専門家でもある西薗 一也先生に直撃インタビューしてきました。
取材協力者プロフィール
スポーツひろば代表
西薗 一也 / Kazuya Nishizono
■公式HP:http://www.sports-hiroba.com/
東京都出身。一般社団法人子ども運動指導技能協会理事。株式会社ボディアシスト取締役。スポーツひろば代表。日本体育大学卒業後、一般企業を経て家庭教師型体育指導のスポーツひろばを設立。運動が苦手な子どもを対象にした体育の家庭教師の事業をはじめとして、子ども専用の運動教室の開設や発達障害児向けの運動プログラムの開発など、新たな体育指導法の普及に幅広く取り組む。著書に『発達障害の子どものための体育の苦手を解決する本』(草思社)や『うんどうの絵本』『かけっこの絵本』『すいえいの絵本』『ボールなげの絵本』(あかね書房)がある。

 

習いはじめは少人数制でじっくり指導してもらうことが成長の鍵

――1クラスあたり、どのくらいの人数の教室がおすすめですか?

これは、本当に水泳教室選びの際に気にしていただきたいポイントです。インストラクター1名に対して何名の子どもを指導するのかで成長の伸び率は大きく変わってきます

大人数制の場合、多いところだと20名の子どもをインストラクター1名で見たりする水泳教室もあります。例えば60分のレッスンだとしたら、1名あたり指導してもらえる時間は3分くらいです。短いですよね。この状況だと、どうしても1人1人に目が届かなくなるので成長スピードも緩やかになってしまいます。

少しでも早く結果を出したいのであれば、スタートはやはり少人数制の教室を選ぶことが重要です。うちの教室の例ですが、6名の子どもに対してインストラクターは2名つくようにしています。一人一人の泳ぎをみてしっかり修正ポイントを伝えていけるので、大人数制で習うのとくらべるとやはり成長スピードが全然違います。

幼児のうちに運動をどれだけ好きにさせるか、能力を伸ばすか、やはりファーストタッチが最も重要なんです。なので、はじめて水泳を習う幼児なら少人数制でしっかりと泳ぎの基礎をマスターしてもらい、ある程度泳げるようになってきたら大人数制に変えて経験を積んでいく。この流れで組み立てるのがおすすめです。

 

インストラクター次第で子どもの成長が劇的に変わる!

――水泳教室の見学会で、ここをチェックしておくべき!という点はありますか。

大事なポイントとしては、「人」です。優しいインストラクターがいる水泳教室。「優しい・強制しない・褒める」この3つが出来るインストラクターがいる水泳教室は、子どもの成長に大きく関わってくると思います。

生徒が幼児の場合、大体お母さんお父さんが観覧席から見守っていたりします。そこで、親御さんの目線を気にして「1日で何かしら結果を残さなくては!」と焦るインストラクターがいます。「もっとできる!もっと頑張れ!」といって、怖がってる子どもに無理強いさせてしまうんです。その結果、水もインストラクターも怖くなり水泳教室に来なくなってしまう。これでは本当に子どもが可哀想ですよね。

水泳では恐怖と寄り添うことが大事です。うちの教室でも1回も顔を水につけられないまま1時間経過してしまう子がいます。そういう子には、インストラクターの背中に子どもを乗せて、たくさん会話をしたり、泳いだりしてリラックスさせてあげる。子どもってそういうことは純粋に「楽しい!」と感じてくれます。そのあとで、「じゃあ、次は少しだけ〇〇を頑張ってみようか?そしたらまた先生の背中に乗せてあげるよ~。」といって次につなげる。ちょっとしたご褒美で子ども心を釣る感じになりますが(笑)。そして頑張った子には「よくできたね!すごいよ!」とたくさん褒めてあげるんです。

「楽しい」体験は、次のステップへの意欲となり、「安心感」は信頼につながります。そして「褒められる」ことで、自分にたいして自信を持つことができるんです。

親から見て、それなりの成長が見られないと不安になる気持ちも分かります。ですが、プールサイドにいただけの子が、今日は片足を入れることができた。次は両足を入れることができた。親からしたら小さな一歩かもしれない。だけど子どもにとっては大きな一歩だと思うのです。勇気を持って少しずつ前に進んでいるのですから。

だからもし親御さんに、「ずっと先生の背中に乗っていたけれど、あれはどういう指導なんですか?」と追求されたとしても、インストラクターとして自分の指導方針と今の状況をしっかり親御さんに説明できなくてはいけません。それぞれの子どもに合わせた指導や行動ができるインストラクターがいる教室かどうかもチェックポイントにすると良いかと思います。

 

料金面は、迷ったときの比較対象くらいの気持ちで考えよう。

――月謝などの料金面も水泳教室選びの参考になりますか?

初期費用や月謝などは、水泳教室によって様々ですし、金額が高いからと言って必ず良いインストラクターがいるとも限りません。料金に関しては、迷った時の比較対象にするくらいでいいのではないでしょうか。

実際に大事なのは、個々にしっかり指導してもらえるか?インストラクターの質はどうか?このあたりだと思います。

そもそものお話しですが、実は運動指導は幼児期の子どもが一番難しいです。小学生だと、低学年から高学年と年齢が上がるほど、言葉の理解力が高まるので教えやすくなりますが、幼児はその前の段階。言葉で教えるのではなく、心と身体で覚えさせなくてはいけない。

幼児教育は、一番費用対効果が高いとも言われています。心も身体も著しく成長する重要な時期に学んだことや体験したことは、将来子どもにとって大きな力となり財産になります。

そういう意味でも、幼児教育にかかる費用が高いとか安いとかで選ぶのではなく、最も重要なこの時期に、どんな先生やインストラクターに子どもを託すのか!ということが重要です。

あくまでも個人的な意見ですが、プロフェッショナルじゃないと教えられない幼児教育こそ、本当は教育費を高く設定した方がいいのでは?と思っていたりします(笑)。幼児は最も大事な時期だから、あえて教育費は高く設定。そのあとで基礎が出来てきた小学生頃から費用を低く設定する。子どもの成長過程を考えると、これが本来あるべき習い事費用感のカタチだと思うんですよね。

でも世間では、幼児のうちは費用が安く、年齢が上がるにつれて費用が高くなるスポーツグラブが多いです。幼児の時に通っていた水泳教室に小学生や中学生になってからも通い続ける子も多いですからね。スポーツクラブとして、そうした戦略は理解できるのですが、個人的な意見としては、その価値観を変えたいと思っています!(笑)

 

水深調整台があるので、プールの深さに恐れなくてOK!

――プールの深さも判断基準になりますか

通常のプールの場合、水深はだいたい1.2メートルから1.6メートルくらいです。基本的に幼児にたいしては安全性を取って、赤台と呼ばれる水深を調整する台を置いています。なのでその点はあまり心配ないかと思います。

幼児や水に抵抗のある子は、最初からプールが深いといっそう怖くなってしまいます。だから最初は、子どもの腰の高さくらいの浅い場所から無理なく始めます。蹴伸びができるようになってきたり、水に対して抵抗が少なくなってきたら、徐々に水深の深い場所で練習していく流れです。

 

補助具には頼らない。水泳はバタ足より蹴伸びが基本中の基本!

――どんな補助具がある水泳教室、またはどんな練習をしている水泳教室がおすすめですか?

カラフルなリングの重りがついたおもちゃなどの補助具はなくて良いと思います。小学校でもよくある、おもちゃを沈めて水底から拾ってくるような授業。確かに楽しいと感じてもらえるかもしれないのですが、その先に繋がらないというか…。結局おもちゃで遊ぶことが目的になってしまい、本来の泳ぐという目標にたいしては集中できなくなってしまうのです。

泳げないうちはビート板も使わなくていいと思います。ビート板を持つと、グーっと下に力が入ってしまう。すると、純粋なストリームライン(壁を蹴った後の姿勢)が取れなくなり、バタ足で無理矢理進もうとしてしまうのです。力任せにバタ足してもスムーズに進みません。

まずは蹴伸びを徹底的に教えることが大事です。蹴伸びで身体がピーンと伸びた姿勢を身につける。このストリームラインを身につけると、水の抵抗を減らして前に進むことができるようになります。背泳ぎや平泳ぎ、クロールにしても、全ての基本は蹴伸びなのです。

また、バタ足は子ども達が一生懸命に練習している感があって、観覧席とかで見ている保護者の受けが良かったりするんですね。そういうわけもあってか、バタ足を基本練習としている水泳教室も多いようですが、まずは正しい姿勢を身につけることを優先し、蹴伸びを徹底したほうがいいかと思います。

 

西薗一也氏直撃インタビューvol.3

子どもの習い事で人気の高いスイミング。小学生になると水泳の授業もはじまる学校も多いですよね。ところが、「うちの子、水が嫌いなのに泳げるかしら…」「水に顔をつけるのも怖いみたい…」「ちゃんと授業受けれるかしら…」なんて心配する保護者も多いので[…]

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